安心感をもたらす35mm増しのスイングアーム…スズキ GSX-R1000R 新型開発チーム【インタビュー】

モーターサイクル 新型車
GSX-R1000R ABS
  • GSX-R1000R ABS
  • エンジン実験担当、小林勇太郎さん。
  • GSX-R1000R ABS技術説明会
  • GSX-R1000R車体設定担当、小林浩二さん。
  • エンジン実験担当、小林勇太郎さん。
  • GSX-R1000R車体設定担当、小林浩二さん。
  • GSX-R1000R ABS
  • GSX-R1000R車体設定担当、小林浩二さん。

サーキットで試乗した新型『GSX-R1000R』。ストレートでの安定性も抜群にいい。

「スイングアームを35mm伸ばしたことで、直進安定性が高まりました」

そう教えてくれたのは車体設計担当の小林浩二さんと、エンジン実験を担当した小林勇太郎さん。ふたりの担当は異なるものの、互いに意見を出し合い、車体とエンジンのベストバランスをとことん追求した。

「基本的に安定性というのはリアまわりがすごく影響していまして、スイングアームを伸ばすことで安定感は増すのですが、ホイールベースが長くなり過ぎれば旋回性が犠牲になってしまいます。新型GSX-R1000Rではテストを繰り返した結果、最終的にこのディメンションが決まりました」(小林勇太郎さん)

旋回性向上のためにエンジンの前後長を短縮し、フロント荷重を増やした新型GSX-R1000R。フロントアクスルからスイングアームピポットまでの距離は、従来型より20mm短い。

「いろいろな長さのスイングアームをテストしまして、最初は(従来型より)20mm長いものもやっていましたが、さらに15mm伸ばすというのがベストだと結論を出しました」(小林浩二さん)

「コーナーの立ち上がりで、少しでも早くスロットルを開けられるようなライダーにやさしい特性、それが速さに繋がるとエンジン開発の担当者とも意思を共有できていましたので、エンジン前後長を短縮してもらってスイングアームの長さをじっくり追求することができました」(小林浩二さん)

一昔前だと、軽くてパワフルだが、敏感すぎて走らせるのがコワイというマシンも存在した。上手いライダーが乗れば、もしかしたらそっちのほうが速いのかもしれない。

しかし新型GSX-R1000Rには、乗っていて安心感がある。ふたりが言うとおり、その安心感がアクセルをより早く、より大きく開けさせてくれ、結果的にラップタイムを上げてくれるのだ。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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