【アウディサミット】市販車で世界初の自動運転「レベル3」実現…A8 新型、バルセロナで初公開

自動車 ニューモデル 新型車
市販車として世界初となる「レベル3」自動運転を採用した新型アウディA8
  • 市販車として世界初となる「レベル3」自動運転を採用した新型アウディA8
  • アウディ A8 新型(アウディサミット)
  • アウディ A8 新型(アウディサミット)
  • アウディ A8 新型(アウディサミット)
  • アウディ A8 新型(アウディサミット)
  • アウディ A8 新型(アウディサミット)
  • アウディ A8 新型(アウディサミット)
  • アウディ A8 新型(アウディサミット)

アウディは、スペイン・バルセロナで現地時間7月11日に開催した「アウディサミット」の中で、市販車として世界初となる「レベル3」自動運転を採用した高級セダン、新型アウディ『A8』を初公開した。さらにアウディは、2018年以降段階的に「パーキングパイロット」「ガレージパイロット」「トラフィックジャムパイロット」などの自律運転機能を市販車に採用していくことを明らかにした。

アウディサミットは今回が初の開催。アウディが「プレミアムな自動車会社」から「プレミアムなデジタルカーカンパニー」へと、自動車を超えたサービス・ソリューションを提供していくというメッセージを全面に押し出し、人工知能「アウディAI」、モビリティの電動化「e-tron」、そしてコネクテッドソリューション「MyAudi」、この3つの柱を中心にモノづくりをおこなっていくことを宣言。そしてこれらを統合し、これからのアウディを象徴するモデルとして、新型A8が紹介された。

フラッグシップとしての高性能化

アウディA8は、アウディブランドのフラッグシップを担う高級セダン。今回発表された新型は、第4世代目にあたる。全長は従来型と比べ+37mm大きくなり5172mm(ロングタイプの「A8L」は5302mm)と堂々たるサイズとなった。室内長も32mm拡大され後席の快適性が向上したほか、電動ドアオープナーやマッサージ機能の付いた最新のリラクゼーションシート(A8Lに設定)など、ショーファーカーに求められるラグジュアリー性を高めている。

またコンセプトカー「アウディ プロローグ」で見せた新世代のアウディデザインを初採用。アウディの“顔”であるシングルフレームグリルはより大きく、ワイドになった。また全高は+13mm(A8Lは+18mm)高くなっているが、キャラクターラインの意匠などの効果で、他プレミアムセダンとは一線を画す伸びやかなシルエットを実現。内外装ともに、さらにスポーティさ、洗練さを強調したものとなった。

走行面では、『Q7』に採用された「オールホイールステアリング」をさらに最適化しハンドリング性能を向上。さらに設定や運転状況に応じて個々のホイールを上下させることができる「アウディAI アクティブサスペンション」を採用。ラグジュアリーセダンならではのスムーズな乗り心地からスポーツカーのダイナミックなハンドリングまで、幅広い走行特性が得られるようになったとしている。

パワートレインは、ガソリン/ディーゼルそれぞれに3.0リットルV6ターボエンジンと、4.0リットルV8エンジンを用意するほか、頂点には6.0リットルW12エンジンも設定する。これらすべてに48ボルト電源を活用したマイルドハイブリッドシステムを採用。エンジン休止状態でのスムーズなコースティング走行や、最大12kWの回生エネルギーを得ることが可能となり、燃費性能を高めている。また遅れてプラグインハイブリッド車の「A8L e-tron クワトロ」も導入されることがわかった。3.0リットルターボエンジンにモーターを組み合わせ、449馬力/700Nmとスーパーカー並みのパワーを実現する。EVモードだけで約50kmを走行することも可能だ。

「レベル3」自動運転を実現

そして新型A8の最大の目玉は、独自のAI技術に基づいた、市販車として世界初となる「レベル3」自動運転機能だろう。「トラフィックジャムパイロット」と呼ばれるこの機能は、「中央分離帯のある比較的混雑した高速道路を60km/h以下で走行しているとき、ドライバーに代わって運転操作を引き受ける」もの。条件は限定的だが、これを満たす場合はクルマ側に操縦を任せた自動運転状態となる。

発進、加速、減速はもちろん、ハンドル操作もおこなう上、ハンドルから手を離した状態で走り続けることが可能だ。アウディは「その国の法律で許されていれば、車載のテレビを視聴するなど、運転以外の行為を行うことも可能」と説明する。また、システム側の機能が限界に達した場合は、ドライバーに運転操作をおこなうよう通知される。

これを実現するのは、様々な車載センサーからの情報を統合する「セントラルドライバーアシスタンスコントローラー(zFAS)」だ。レーダーセンサー、フロントカメラ、超音波センサーのほか、自動車分野として初めて採用されたというレーザースキャナーから送られるデータをzFASに集約することで、クルマ周辺の立体モデルを瞬時に算出することができる。クルマの周囲に何があるか、何が起きているかをクルマが立体的にとらえることができるというわけだ。zFASには、NVIDIA、Infineon、Alteraの高性能チップや、Mobileyeのプロセッサーなどを組み合わせ、拡張性も高いという。

アウディは「トラフィックジャムパイロット」の導入については、「各国における 法的枠組みを明らかにし、各々の市場におけるシステムの適用とテストが必要」として、それぞれの市場での「承認手続きの範囲とそのタイムスケールを世界中で遵守」した上で段階的に市販モデルに採用していく。

新型A8は2017年晩秋からドイツ市場で販売を開始。A8は9万0600ユーロ(約1178万円)から、A8Lは9万4100ユーロ(約1223万円)から。日本への導入時期は未定だが、「レベル3」の日本導入が実現するか、注目度は高い。

協力:アウディ(アウディサミット)

《宮崎壮人》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集