マツダ『デミオ』の最新モデルに用意される「ブラックレザーリミテッド」は、国産同クラスでは、間違いなく1番の上質感、心地良さが味わえる仕上がりだ。シートのクロス部分がパーフォレーション(穴開き)のフルレザーならなおよかったが、全体のサラッとした風合いがクルマに合っている。インパネ、コンソール、ドアアームレスト部も合皮の柔らかな素材で統一感がある。いずれも手や足で触れる部分だから、コンパクトカーながら“いいモノ感”が実感できる。シートヒーターが備わるのも、寒い季節にはありがたみが身にしみるに違いない。ベース車は改良の入った最新ディーゼルモデル。制御が緻密になったというエンジンは、ATとの組み合わせでも進化がわかった。エンジン回転でごまかさずに、発進、加速、巡航などいかなる場面でもよりスムースに綿密にクルマを走らせてくれる。「ナチュラルサウンドスムーサー」が標準となり、車外/車内ともエンジンは文字どおりスムースで静かだ。アクセルを踏み込むと、アイドリング直後にタタタ…と音が立つところを通過するが、それは一瞬のことで、あとは音、振動ともかなり抑えられている。他方で電動パワステの制御の変更は、個人的には従来型のほうが馴染める気がする。よくよく観察すると全体の操舵力が軽くなり、しかもパワーアシストの立ち上がり部分が早め、大きめな印象。なので直進(センター)付近での“座り”が少し物足りなかったり、速度や状況にかかわらず、ステアリングを切るとアシストも瞬時に大きめに入るため、掌で感じたい自然な手応えがやや希薄になった…そう感じた。フラットワイパー、シャークフィンアンテナなどを新たに装備した外観は、基本的にこれまでどおり。エアロパーツから内装、実用品まで豊富に用意される純正アクセサリーはいずれもセンスがよく、一見の価値ありだ。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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