気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2015年10月30日付
●東京モーターショー、車各社未来見せる、グーグル参入に危機感(読売・9面)
●米利上げ「12月に見極め」FRB声明、越年観測をけん制、世界経済への懸念削除(朝日・6面)
●排ガス試験を厳格化、EU合意、VW問題に対応(朝日・6面)
●ミニバン全車種にHV展開、ホンダ、ファミリー層に照準(朝日・8面)
●運転の喜び捨てられぬ、国内トップ自動車の将来像語る,東京モーターショー開幕(毎日・72面)
●クルマの未来、東京モーターショー2015、自動運転で事故減少、ハッキング・法制度課題(産経・10面)
●東京モーターショー、自動運転実用に急加速、向き合える座席、人のミス補うAI (東京 ・7面)
●社説、排ガス不正の代償が重いVW(日経・2面)
●ソニー復活に道筋、5年ぶり最終黒字、リストラ一巡(日経・3面)
●パナソニックの鉛電池事業、GSユアサ、300億円で買収(日経・11面)
ひとくちコメント
東京モーターショーがきょうから11月8日まで一般公開される。「自動車各社は、自動運転や環境対応車(エコカー)だけでなく、インターネットの連携で近未来の生活を変える可能性をアピール」と読売などが告知を兼ねて報じてはいるが、きょうの各紙は一般の記事よりもカラー刷りの広告特集が目立つ。
例えば、読売は「世界が注目するクルマの祭典。本日開幕!」というキャッチコピーで、日本自動車工業会(自工会)をはじめ、トヨタ自動車の「少し先ゆくトヨタが見える!」、日産自動車の「技術の日産が、人生を面白くする。」、富士重工業が「新たなストーリーが始まるきっかけに」、ホンダは「エキサイティングに6輪を楽しめ!」。
さらに、マツダは「『走る歓び』の未来を切り拓く。」、そして、部品メーカーではJTEKTが「世界に誇る技術でクルマの発展を支える」とのコピーで各社がアピールする出展車両などを紹介している。読売の広告特集は7ページで構成。
朝日も7ページの広告特集だが、「乃木坂と社会科見学」とのタイトルでプレスデーに人気アイドル「乃木坂46」の6人メンバーが、トヨタ、日産、富士重工、ホンダ、マツダ、プジョーの各ブースを見学したひと味違うレポートを掲載している。
このほか、毎日は東京モーターショー関連の広告が6ページだが、トヨタや日産などのカラー全面広告の間にブリヂストンなどの「タイヤ・ホイール特集」と「蔦屋書店」をモノクロ1ページで掲載している。産経はトヨタ、日産、ホンダ、富士重工の4ページ。東京はトヨタと日産のわずか2社だった。
東京モーターショーが華やかな時代は各紙とも一般公開日には別刷りの広告特集を企画するなど元気いっぱいだった。だが、10月29日朝刊で読売が「意気込みとは裏腹に、足元の国内販売は低迷し、若者の自動車離れも進む」。「『車がなくても、不自由しない』。そう思っている人たちをも揺さぶるような車の出現を期待したい」と指摘した。
朝日も「『還暦』過ぎ、近年は地盤沈下が著しい」と手厳しい。そんな記事の背景には、広告特集にも苦心惨憺のあとがうかがわれる。