ヤマハが29日に発表した電動コミューター『E-Vino(イービーノ)』は、レトロポップなスタイルで人気の原付1種スクーター『Vino』をベースに電動化。製造はヤマハモーター台湾でおこなう。動力源は3相ブラシレスDCモーターで、バッテリーは50Vの高エネルギー密度・リチウムイオンタイプ。カタログ公表値での満充電での走行距離は29km(30km/h定地)となっている。シート下は約10リットル、縦長の収納スペースがあり、記者発表会では「フランスパンだって入る」と強調されたが、ヘルメットは入らない。バッテリーは着脱式で、家庭用100V電源から充電可能。充電時間は約3時間。専用のオプションパーツがあれば予備バッテリーも収納できる。注目は登坂発進などで役立つ「ブースト」機能を装備したことだ。モーターの駆動力を「標準」「パワー」にモード切り替えができるが、さらに登り坂などで一時的により登坂性を求めるときに役立つ「ブースト」機能が加わっている。右ハンドルスイッチのボタンを押すと30秒間作動し、急坂での発進などに対応する。メーターの液晶画面では、速度やバッテリー残量、モード、オド/トリップが確認できるほか、バッテリー残量をゲージと1%単位の数値で合わせて表示。数値で表示することのメリットは、言うまでもなく細かく残量が分かること。このメリットは心理的にじつに大きく、たとえば5段階の目盛り表示だけなら、たいていのライダーは残り2目盛りのところで「そろそろ充電しなければ」と不安を感じるが、じつは40%程度も残っている。細かく正確に残量を表示することで、バッテリーをフルに活用できるのだ。 そしてイチバンのセールスポイントは、車両両重量を68kg と一般的なスクーターより軽いこと。ゆったりしたライディングポジションや広々としたフットボード、クッション性の良いサスペンションなどは現行の『Vino』と同じ仕様のままでありながら、『ビーノ デラックス』の80kgとくらべると12kgも軽い。ボディには「e」マークを右レッグシールドにアシンメトリーで配置し、サイドカバーにも「e」マークをあしらった。価格は23万6520円。クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金(補正分)の適用によって、2万円の還付があるのが魅力だ。
【スズキ GSX250R 試乗】ハンドリングは「小さなハヤブサ」!? 250ccらしからぬ独自の存在感…伊丹孝裕 2025年9月14日 セパレートハンドルとフルカウルを持つ250ccロードスポーツの中…