スズキが6月3日に発売した新型軽乗用車『アルトラパン』の運転席側には500ミリリットルの紙パックが入る角型のカップホルダーが備え付けられている。
20~30代女性をターゲットにした車と500ミリリットル紙パックは結びつかないイメージがあるが、河村恭博チーフエンジニアは「開発に携わった女性スタッフの意見を取り入れた」と明かす。
河村チーフエンジニア自身も当初は「500ミリリットルの紙パックといえばオジさんが飲むもの」と思い込んでいたが、「女性スタッフからデータや写真を見せられて、意外に女性も500ミリリットル紙パックを買っていることがわかった」と振り返る。
というのも「もちろん女性が500ミリリットル紙パックを直接がぶ飲みするようなことはなく、乳製品系の飲物などには500ミリリットルの紙パックでないと無い銘柄のものがあったりとか、ストローを差して飲めるからとか、お子さんを乗せた時に乳製品系の飲物を分け与えたりするといった理由から、紙パックを選んでいる」からだ。
実際に河村チーフエンジニアも「直接女性ユーザーの意見を聞いたり、定点観測してみて納得した」とか。「これまでなら丸い形のカップホルダーで良いだろうで終わっていた。また逆に小さな缶飲料を置くとカタカタ鳴るといった意見も出たが、結果的には女性の意見を生かして四角になった」という。
一方、助手席側のカップホルダーも四角ではあるが500ミリリットル紙パックには対応していない。しかし引出し式にすることで、「見せない収納にもこだわった」といった配慮も施されている。