中古軽トラをEV化、『そらまる』など出展へ…ジャパンモビリティショー2025

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トノックス、nicomobi、REDERは10月29日に開幕するジャパンモビリティショー2025に合同で出展すると発表した。

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展示のテーマは次世代モビリティと再生可能エネルギーを活用し、「誰もが困らない社会」を実現することだ。人口減少や高齢化、インフラの老朽化、労働力不足といった日本の課題に対応するため、3社の強みを融合し、持続可能な地域インフラづくりを進める。技術開発と社会導入を加速させ、新たなエネルギー・モビリティ社会のビジョンを示す。

トノックスは1950年10月創業の車体製造・特装車架装メーカーで、神奈川県横浜市、平塚市、静岡県菊川市に工場を持つ。軽乗用車から大型車両まで幅広く生産し、電着塗装設備を備え試作から量産まで対応可能だ。独自の「人が介在するものづくり」を重視し、高い技術力を育んでいる。

nicomobiは2024年5月に設立。小型電気自動車(EV)の設計・開発を手掛け、2021年から超小型EVの検討と実証実験を実施してきた。2023年にはジャパンモビリティショーで超小型EV『クロスケ』を公開し、2024年2月に公道走行の証明ナンバーを取得した。これにより、社会課題に寄与するモビリティ製品の開発を進めている。

REDERは2025年2月創業。再生可能エネルギーの加速的普及を目的に、伴走型PPA支援事業で分散型エネルギーの普及促進を目指す。2050年までの完全脱炭素化を視野に、技術力と柔軟な発想で新たなエネルギー供給の形を構築している。

3社は日本の人口減少、高齢化、インフラ老朽化、労働力不足といった構造的課題に対応するため、再生可能エネルギーを活用した持続可能な地域インフラの共創を目指す。技術開発と社会実装を加速し、エネルギー・モビリティ社会の新たな形を提示する。

展示予定の超小型EV『クロスケ』は、超小型EV技術研究組合が設計・開発しトノックスが製造。3台の試作車を経て作られた4台目の試作車で、荷室の窓追加など改良を加えている。交換可能なバッテリー4本セットで運用され、小規模な太陽光発電など地域電源で充電し再生エネルギー利用の実証に活用される見込みだ。

また、古い軽トラックを電気自動車に改造した『そらまる』も展示。エンジンや燃料タンクを撤去し、『クロスケ』と共通の電動システムと交換式バッテリーを搭載。静かな走行とゼロエミッションを実現し、環境負荷削減と地域のモビリティ支援を両立する。

展示では、太陽光パネルによる地産地消型の自立エネルギーインフラも紹介。可搬型蓄電池を用い地域内での電力利用や有事のバックアップ電源を可能とする。REDERのPPA支援とエネルギー管理システムにより、再生可能エネルギーの安定供給と事業継続計画(BCP)強化を両立するソリューションを提供する。

トノックスの代表取締役社長・殿内崇生氏は「当社は長い経験と信頼を基盤に、志を同じくする企業と共同で社会課題解決に挑む。今回のEV展示はモビリティを通じた取り組みの具現化だ」と語る。

nicomobi代表取締役・平井敏郎氏は「電気自動車だからこそ可能な新しい価値を提案し、離島などでの実証も視野に事業を推進する」と述べる。REDER代表取締役社長・比嘉直人氏は「再生可能エネルギーとモビリティの融合は最重要課題であり、『でんでん島構想』を通じて脱炭素社会実現に貢献する」としている。

《森脇稔》

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