三菱自動車が、バンコクモーターショーでタイ初披露したのが『デリカ スペースワゴン』。かつての『デリカ スペースギア』と『デリカ スターワゴン』を組み合わせたような名前を持つこのクルマの正体は、見ての通り『デリカ D:5』である。
ただ、日本の売り方と大きく違うのはオフローダー的なキャラクターを封印し、あくまで上級ボックスミニバンに徹していること。駆動方式はお得意の4WDではなくFFで、ビジネスやレジャーに向けたMPV(マルチ・パーパス・ビークル)としてアピールしていくようだ。
現地生産ではなく日本からの輸入車ということもあり、2.0リットルモデルのFFながら、バンコクモーターショーでの販売価格は178万バーツ(約660万円)と日本人の感覚からしてもかなりの高級車。装備もサイド&カーテンエアバッグ、両側電動スライドドア、フルオートエアコン+リヤクーラー、リアビューカメラ、そしてリアエンターテイメントシステムを標準採用と充実している。
興味深いのはシート表皮。内装飾は日本においてはカスタムグレードの「ROADEST」でしか選べないブラックで、日本にはない選択肢となる「黒いレザーシート」をコーディネートしているのだ。これは現地の嗜好なのだろう。タイでは革シートが高級車の最低条件となるようだ。