ホンダは原付スクーター『タクト』をおよそ16年ぶりに復活させ、1月23日から販売を開始すると発表した。2014年2月に発売した『ダンク』のエンジンと車体を共有化しながらも、2kgの軽量化を図り、時速30km定地走行燃費で80km/リットルを実現したのが特徴。
タクトの開発責任者を務める本田技術研究所二輪R&Dセンターの三ツ川誠研究員は「若者向けの新提案商品であるダンクに対して、タクトはスタンダードな位置づけのスクーターとして、より年齢、性別、体格を問わず間口が広く使い勝手に優れた商品づくりに注力した」と明かす。
このため「ダンクのスペース効率に優れたフレームを使いながらも、ストレスフリーな日常の移動を実現するため、外板ボディをコンパクトにすることで取り回しのしやすさに配慮した」という。
具体的には「樹脂カバーの枚数を減らしたり、形状を小さくしたりしたことで軽くなっている。ダンクのフロントには物入れやソケットなどがあって二重の構造になっているが、タクトは下の部分は1枚で構成されている。またヘッドランプ、テールランプともにウインカーと一体化したことなどで、全体で2kg軽量化できた」としている。
これにより「エンジンそのものは(ダンクと)全く変えていない」ものの、2kgの軽量化でダンクの燃費75.3km/リットルを大きく上回る80km/リットルと、クラストップの低燃費を実現している。タクトの価格は15万9840~17万2800円で、年間4万5000台の販売を計画している。