日産自動車は10月30日、神奈川県横須賀市にある追浜工場で電動商用車『e-NV200』の出荷式を実施した。式典にはすでに購入を決めた企業や自治体の代表者らも列席し、環境への取り組みやe-NV200の活用方法などを披露した。
日本郵便の荒若仁執行役員は「2008年度末までに221台の電気自動車(EV)を導入した経緯があるが、やはり充電時間、走行距離の問題や生産も中止になったこともあって、なかなか普及が進まなかった」と振り返る一方で、「e-NV200はすでに試行していて非常に使い勝手が良い。スタートストップ、加速も良く、当然経済性の面でも期待している。モノを運ぶ商売をしていると環境問題は切っても切れない課題。今後の益々の技術開発を期待している」とエールを送った。
みやぎ生活協同組合の大越健治専務理事は「2011年8月から『リーフ』を毎年2台ずつ導入し、現在6台のリーフを営業車両として日々活用している。6台の活用で2014年度上期には約6.7tのCO2削減ができた。e-NV200は営業活動だけでなく商品の配送等にも活用できるという判断から11台の導入を決めた」と述べた。
DHLジャパンの山川丈人社長は「昨年e-NV200の実証テストを行った。非常にドライバーから好評だった。今回1台を東京・丸の内周辺の配送業務に、もう1台を弊社と東京税関を行き来する際に利用する。とくに丸の内での利用に関してはビジネスマン、ビジネスウーマンの皆さんに当社の環境保全に対するコミットメントを見て頂くショーケースになると思っている」と期待を寄せた。
リビエラリゾートの小林昭雄社長は「数年前より湘南エコロジータウン構想を車内で立ち上げ、再生自然エネルギーならびに電気自動車の活用を始めている。e-NV200は場内のお客様の歓送迎のほか、給電機能をうまく使って夏場に需要が偏っている電力のピークシフト、ピークカットにも利用したい」と話した。
横須賀市の吉田雄人市長は「横須賀市は追浜工場が所在している関係もあって日本で一番EVにやさしい街、EVタウンを目指している。e-NV200をまずは2台、いち早く申し込んだ。市内を公用車として走ることで市民の皆さんにもどんどん宣伝していこうと思っている」と語った。
薩摩川内市企画政策部新エネルギー対策課の久保信治課長は「今年度、公用車に10台のEVを入れる。そのうちの2台がe-NV200。自治体にとっては市民の安全安心が非常に大事で、災害に強い給電ができるということは大切。イベント時にはエコを感じてもらうということで給電機能を活用していこうと考えている」と述べた。