許された試乗時間は10分。それで何がわかったか? といえば、現存するどのスーパースポーツカーよりも実験的で挑戦的な外観とは裏腹に、走りはむしろ正統派スポーツカーらしいもの…と感じたことだった。前輪をモーター、後輪を1.5リットルの3気筒直噴ツインパワーターボで駆動する方式のプラグインハイブリッド。システムトータルで362ps/570Nmの動力性能をもち車重は1500kg。なので遅かろうはずなく、アクセルを踏み込むとモーターがグイとクルマを前に出す。さらに加速を試すと、TV-CMと同じ「V8エンジンか何かか!?」と思わせられるあのサウンドの“演出”が入り、さらに軽々と加速が追加される。4輪の接地感は非常に確実。ステアリングの手応えにも安心感がある。コーナーも面白いように曲がってくれ、途中の姿勢も低いポジションと相まって、まったく危なげなく感じ、かつ速い。まさしくBMWらしい走りっぷりは、新しい“iブランド”でもしっかりと再現、貫かれている。こと走りは特異なクルマではなく、ある意味でとても乗りやすく気持ちのいいスポーツカーだ。まるでショーカーのような未来的なコクピットだが“作法”は通常のBMW車と同じで、シートに座り、迷わずに走らせられた。各部を子細に吟味する余裕こそなかったが、室内空間が上質に仕上げられていることは実感した。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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