【スバル レヴォーグ 1.6GT-S 試乗】スバリストには間違いなく受ける…中村孝仁

試乗記 国産車

スバル・レヴォーグ 1.6GT-S
  • スバル・レヴォーグ 1.6GT-S
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スバルの代表的人気車種、『レガシィ ツーリングワゴン』が主要輸出国であるアメリカに合わせて開発された結果、大きくなり過ぎ、日本市場にマッチしたワゴンの必要性から誕生したのがこの『レヴォーグ』だ。

3サイズは4690×1780×1490mm。現行レガシィ ツーリングワゴンと比較して、車幅は同じだが全長は100mm短く、全高も45mm低い。今回レヴォーグの注目はダウンサイズした1.6リットル直噴ターボユニットを搭載すること。ご存知の通り、ヨーロッパではこの10年ほど、排気量を小さくし失ったパワーをターボ過給で取り戻して燃費を稼ぐエンジンが主流。スバルもようやくその時流に乗った格好である。

1.6リットルとはいえ最高出力は170psだから、NAエンジンなら2.5リットル級といって過言ではない。それに最大トルクも1800~4800rpmという広い範囲で発生されて、ほぼ常用域全域で最大トルクを使うことができる。これも近年のターボエンジンの特徴的なところだ。元々ターボは高性能のためのものという概念が支配的だったが、最近はすっかりその立ち位置が変わり、今やターボは性能と省燃費を両立させる打ち出の小槌的役割を果たす。とりわけ低回転から発生される力強いトルクは大きな魅力で、このレヴォーグでも例外ではなく、鋭いピックアップで低回転から実に滑らかなトルクの立ち上がりを見せる。昔は突如として強大なトルクが立ち上がったので、いわゆるタイムラグを感じ乗りにくいのがターボ車だったが、今は全くそんなことはない。

そのエンジンとリニアトロニックを組み合わせたドライブトレーンだが、ピックアップにしてもアクセルペダルの追従性にしても非常にリニアでこの点に関しては文句なし。あえて言うならあまりにもスムーズなので、少々ドラマ性に欠けるところくらいか。一方で一番期待されるであろう燃費はJC08モードでは16km/リットルをうたっているが、かなり省燃費運転をしたつもりでも実際はほぼ10km/リットルでかなり期待外れだった。関係者によるとレギュラーガソリン指定にした結果うまく燃費を出せていない旨の話があった。確かにハイオクはリットルあたり10円~11円は高いから、多少燃費が落ちたところでレギュラー指定はユーザーにとって有り難く、同様なエンジンを搭載する輸入車に性能面(燃費のみならず)で負けていてもレギュラー仕様を選びたくなる。

ご存知の通りレヴォーグの発売は予定よりも1か月ほど遅れた。その理由はアイサイトの最終的な煮詰めの問題といわれていたが、新しいレーンキープアシストを組み込んだ全車速対応クルーズコントロールは実に有り難い存在だった。しかし、いかにも日本的おせっかいというべきか、前車を捕捉できなくなった時はピーという警告音が。そしてレーンキープに必要な白線が読み取れなくなるとポンという警告音が出る。しかもかなり頻繁に。何の警告かわかってしまえばあまり気にならないのかもしれないが、そのあまりの頻繁さに試乗という短期間のドライブではかなり神経質にならざるを得なかった。

GT-Sはビルシュタインのダンパーにアルミ鍛造フロントロアアームを持ち、18インチアルミを装着する仕様を持つ。このため足回りは17インチ仕様に比べると硬めでしまった乗り味を持つそうだ。17インチ仕様に乗っていないのでそうとしか言えないが、硬いと言っても全然許せる範囲。ただ、少しノーズピッチが大きいのは気になるところだった。

試乗中多くの人に指摘されたのは(業界人のみならず)、何故サイドウィンドー周りのクロームサッシがドアのところで切れてCピラー以降に無いのかという意見。どうせならアウディのようにサイドウィンドー周りをすべてクロームサッシにしてしまえばよかったのに、これは何とも中途半端でおかしい。気になりだすと我慢ならなくなる。特に赤いボディ色だとそれが強調された。

それでも、フラット4エンジンにシンメトリカル4WDというスバル独特のメカニズムはしっかりと継承されて、その上で多少ラゲッジが狭くなっているだろうが十分に使い勝手の良いボディサイズはスバルファンには受けること間違いなしである。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★
インテリア居住性 ★★★★
パワーソース ★★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★★


中村孝仁|AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来36年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。
《中村 孝仁》

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