アクセンチュアは3月12日、都内で記者会見をおこない、日本企業のグローバル化ランキングを発表した。
ランキングの結果上位10社中3社を自動車メーカーが占め、部品メーカーも合わせると約半数を自動車関連企業が名を連ねた。
同ランキングの指標化と算出は早稲田大学理工学部経営システム工学科大野研究室が担当。対象は東証一部に上場している日本企業のうち売上上位200社だ。
ランキング指標は「グローバリゼーション・インデックス」と呼ばれ、海外売上比率とその伸び、海外有形固定資産比率と直接対外投資金額、さらに海外人材の登用から計測。この結果を元に、アクセンチュアが考察を加えている。
◆上位10社中4社に自動車関連メーカーがランクイン
早稲田大学理工学術院教授 大野高裕工学博士によると、今回のランキングはグローバル展開の資源状況を把握するため4つの指標と、その成果を計る2つの指標から計られているという。
まず資源状況を把握するための指標は、
1. 海外有形固定資産比率
2. 海外直接投資
3. 海外従業員比率
4. 経営陣、管理職の外国人比率
と、物的資源、人的資源を二つずつ用いた。
その成果を計る指標は
1. 海外売上比率(各企業の直近会計年度の売上より)
2. 売上の伸び(2011年会計年度から2013年会計年度まで)
を用いている。
その結果の上位10社は以下の通り。
1 日産自動車
2 武田薬品工業
3 トヨタ自動車
4 TDK
5 本田技研工業
6 ブリヂストン
7 ダイキン
8 野村ホールディングス
9 三菱商事
10 国際石油開発帝石
◆上位10社とそれ以下の企業は何が違う? 平均売上成長率に約14%の差
グローバル化に成功している企業とそうでない企業は何が異なっているのか。各指標ごとに上位10社と、11位~100位の企業とで比較分析をおこなった結果は次のように説明されている。
まず海外売上比率。上位10社の企業は総売上のうち半分以上を海外市場で達成。平均海外売上比率は上位10社が63%。11位以下100社までが46%という。
次に海外資産、投資。上位10社は、固定資産の半分が海外所有となっている。全固定資産における海外所有分の割合は上位10社の平均が49%なのに対し、それ以下の企業では30%だ。
また、投資額においても上位10社とそれ以外の90社では、海外投資平均額に4倍以上の開きがある。1社平均対外投資額は上位10社で112億3000万米ドル、残り90社では18億9000万米ドルだ。
さらに海外人材の登用の点でも9%の差があるという。上位10社の半数以上は海外在住従業員が54%を占めているのに対し、それ以下の企業は45%となっている。上位10社のうち、取締役と執行役員の外国人比率が最も高いのは日産と武田薬品工業だ。
大野氏は「上位企業は国内外の売上を含むグローバルな売上をより拡大させている」と説明する。過去3年間にわたる平均売上成長率は上位10社が15.6%、以下90社が1.6%となっている。上位10社のうちの数社にいたっては、2011年会計年度以来、売上の2ケタ成長を達成しているという。