災害運休区間、10月末は531km…7~9月の水害区間が順次復旧

鉄道 企業動向

災害により運休中の鉄道路線は、10月31日時点で8社19線20区間、総延長は531.2kmとなった。9月23日時点(566.3km)から約35km減少している。

7~9月の水害による運休区間が順次復旧している。9月の台風18号で不通となった長野県の飯田線平岡~天竜峡間22.4kmは当初、復旧までに3カ月かかるとされていたが、施設の被害が当初の想定より少なかったことから大幅に前倒しされ、10月10日に運転を再開した。

その一方、10月の台風26号で千葉県を中心に不通区間が増加。現在も久留里線と小湊鉄道線の一部区間で運休が続いている。東日本大震災の運休区間(271.2km)に変化はないが、石巻線は全線再開の時期が示された。

現在の運休区間は以下の通り。

■三陸鉄道 北リアス線 小本~田野畑(岩手県) 10.5km
東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。復旧作業が現在進められており、2014年4月までに再開する予定。

■JR東日本 岩泉線 茂市~岩泉(岩手県) 38.4km
2010年7月に土砂崩れが発生し、これに列車が突っ込んで脱線した。現在も全線の運休が続いている。運休後の調査で岩盤崩壊や落石の恐れがある場所が多数確認されており、利用者も極度に少ないことから、JR東日本は2012年3月に同線を廃止する方針を示した。沿線の自治体や住民との交渉は難航しているが、JR東日本は並行する国道340号の改良工事に資金協力することや、途中の押角トンネルを道路用に改築する案などを示しており、廃止に向けた動きが強まっている。

■JR東日本 山田線 宮古~釜石(岩手県) 55.4km
東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。JR東日本はバス高速輸送システム(BRT)による仮復旧の意向を示したが、鉄道の早期再開を求める沿線自治体との間で交渉が難航している。

■三陸鉄道 南リアス線 吉浜~釜石(岩手県) 15.0km
東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。復旧作業が現在進められており、2014年4月までに再開する予定。

■JR東日本 大船渡線 気仙沼~盛(宮城・岩手県) 43.7km
東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。2013年3月から鉄道復旧までの暫定策としてBRTを導入し、線路敷地の一部を活用したバス専用道を整備した。

■JR東日本 気仙沼線 柳津~気仙沼(宮城県) 55.3km
東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。2012年8月から鉄道復旧までの暫定策としてBRTを導入し、線路敷地の一部を活用したバス専用道を整備した。

■JR東日本 石巻線 浦宿~女川(宮城県) 2.5km
東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。2014年春から復旧工事に着手し、2015年春の再開を目指す。終点の女川駅は内陸側に移設する。営業距離は0.1km短くなり2.4kmになると見られる。

■JR東日本 仙石線 高城町~陸前小野(宮城県) 11.7km
東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。ルートを内陸側に移設した上で2015年にも再開する予定。

■JR東日本 常磐線 相馬~浜吉田(福島・宮城県) 22.6km
東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。ルートを内陸側に移設して運転を再開する計画が立てられている。2014年春から工事に着手し、2017年春にも再開する予定。

■JR東日本 常磐線 広野~竜田~原ノ町(福島県) 54.5km
東日本大震災の地震動と津波で路盤が崩壊するなどの被害。福島第一原発の警戒区域などに入っているため、被害調査もほとんど進んでいない。ただし広野~竜田間8.5kmは2012年8月から避難指示解除準備区域に移行しており、JR東日本は沿線自治体の帰町判断(2014年春)に合わせて再開する考えを示している。

■JR東日本 只見線 会津川口~只見(福島県) 27.6km
2011年7月の豪雨で橋桁が流失するなどの被害。JR東日本は復旧の可否について「総合的に検討を進め」るとしており、公的支援が受けられない場合の運転再開は困難とみられる。

■小湊鉄道 小湊鉄道線 養老渓谷~上総中野(千葉県) 4.2km
10月の台風26号による大雨で盛り土が損壊。

■JR東日本 久留里線 久留里~上総亀山(千葉県) 9.6km
10月の台風26号による大雨で上総松丘~上総亀山間の土砂が崩壊。運転再開は11月中旬頃か。

■JR東海 名松線 家城~伊勢奥津(三重県) 17.7km
2009年の台風18号により橋台の流失や土砂の流入などが発生。一時は鉄道を廃止する方針が示されていたが、関係自治体が鉄道施設周辺の治山事業などを実施することを条件に復旧の方針に転換した。2016年度の再開が想定されている。

■信楽高原鐵道 信楽線 貴生川~信楽(滋賀県) 14.7km
9月の台風18号による大雨で橋桁が一部流失し、全線運休中。同線の施設を保有する甲賀市の市長は廃止の可能性も示唆している。

■六甲山観光(旧・六甲摩耶鉄道) 六甲ケーブル線 六甲ケーブル下~六甲山上(兵庫県) 1.7km
9月の台風18号による大雨の影響で運休中。同線の運営会社は六甲摩耶鉄道だったが、10月1日付で阪神総合レジャーと合併し、社名を六甲山観光に変更している。

■JR西日本 三江線 江津~浜原(島根県) 50.1km
8月に発生した豪雨の影響で橋脚が流失するなどの被害。

■JR西日本 山陰本線 益田~須佐~奈古(島根・山口県) 45.7km
7月の豪雨で橋脚の沈下などが発生。益田~須佐間25.9kmは11月9日から運転が再開される予定となった。残る須佐~奈古間19.8kmの再開は1年以上先か。

■JR西日本 山口線 地福~津和野~益田(山口・島根県) 50.0km
7月の豪雨で橋桁が流失するなどの被害が発生。津和野~益田間31.0kmは11月16日から運転が再開される予定となった。県境部の地福~津和野間19.0kmの再開は1年以上先か。

■岡本製作所 別府ラクテンチケーブル線 雲泉寺~乙原(大分県) 0.3km
9月初頭の大雨により道床の基礎部分が沈下。
《草町義和》

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