【カロッツェリア サイバーナビ ZH0009 インプレ】スマートループ アイの真価を見極める

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スポットの画像は撮影日時や速度についていも表示される
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カーナビの商戦期は夏と秋があるが、パイオニア・カロッツェリアでは夏商戦にハイエンドモデルの『サイバーナビ』をリニューアルするのが通例になっている。

2013年夏に登場したサイバーナビの「AVIC-VH0009/ZH0009」シリーズでは、フロントカメラで撮影した画像をサーバー(クラウド)へアップロードし、ユーザー同士で共有する「スマートループ アイ」を新たに搭載した。

この機能は、2011年に採用したカメラ映像の上にルートを表示する「ARスカウターモード」の延長線上にある機能だ。通信モジュールとフロントカメラを標準搭載とさせれば、クラウドでの画像共有という発想はごく自然な成り行きだろう。が、単に思いつくことと、それを実用としてどのように利用し、ナビの機能として実装させるという作業の間には超えなければならない課題は山ほど存在していたはずだ。

撮影のポイントはどうやって選定するのか? 撮影はドライバーがおこなうのかそれとも自動なのか? 画像というリッチなデータを定額通信の限られた帯域でいかにして送るのか? そしてプライバシーの問題はどうする? どのように配信するのか?


◆利用シーンが入念に吟味されたスマートループ アイ

スマートループ アイの実装にあたって、カロッツェリアではスマートループ渋滞情報を元に、全国の高速道路施設や混雑することの多い交差点、施設の駐車場入り口や交通規制所場所など約5000カ所を「スマートループ アイ スポット」としてあらかじめ設定した。

このスポットを走行する際に、クルーズスカウターユニットのカメラが自動撮影し、通信を利用してサーバーに送信。画像祭はVGA(640×480)サイズとし、通信のボトルネックにならない程度の容量とした。さらに、画像は車両ナンバーなどプライバシーにかかわる部分を自動で判別し、ぼかし処理加工を施した上で配信するという念の入れようだ。こうした画像処理は、ARスカウターモード以来のカメラ/画像利用のノウハウが活かされていることは想像に難くない。

では実際に使ってみよう。スマートループ アイを利用するには、何も難しい操作は必要ない。あらかじめ設定されているスマートループ アイ スポットを通り抱えれば、自動で撮影をおこない、撮影の日時や方位、走行スピードなどの情報も含めてアップロードされる。また目的地を設定し、ルートを引いていれば、走行中にスマートループ アイ スポットの近辺にくると、自動でウインドウが立ち上がり画像情報を表示してくれる。

この機能、どのような時に役立つのかというと、ショッピングに立ち寄ろうとしている駐車場の混み具合が到着前に分かったり、あるいはこれから通過する高速道のジャンクション分岐の渋滞やSA/PAの混雑の具合をあらかじめ把握できたりと、ナビのVICS情報だけでは判別できないような交通状況が分かるというわけだ。


◆ある日突然スマートループ アイの利用価値に気づく

正直なところを言うと、サイバーナビを使い始めた当初は、ポップアップで飛び込んでくるスマートループ アイの画像をほとんど気にとめてなかった。が、あるきっかけでこのスマートループ アイの便利さを実感した。

筆者は中央道の稲城~調布インターの近くに自宅があり、都内での取材などの用件があるときは中央道から首都高4号線から都心環状に入るルートを必ず使う。

この際に迷うのが、三宅坂JCTで11号台場線を経由して湾岸ルートを選ぶか、それとも9号深川線を通って湾岸に入るかだ。経験則から言って、都心環状に入ってからは台場ルートのほうが比較的スムーズに流れるのだが、その代わり三宅坂JCTに入る右側車線の方がたいていは混んでいる。一方、深川線ルートは、三宅坂JCTに入る左側車線は比較的交通量が少ないが、そこから先が重い渋滞となるケースが多い。こうした場面に、VICSおよびスマートループ交通情報に加えることで、スマートループ アイの画像を判断材料にルートをチョイスできるようになった。

話しがいささか込み入ってしまったが、こうした画像情報は、使いようによっては非常に有用な情報となり得る。もちろん日頃の通勤だけでなく、休日の後楽やショッピングなどにも役立つだろう。なお、通勤など日頃通るポイントがある場合は、スマートループ アイ スポットから任意に最大10件登録できる「マイスポット」という機能もあるので、ぜひとも活用したい。なお、スマートループ アイ スポットは現在約5000カ所だが、パイオニアではスポットは今後増やしていくとのことだ。


◆ドライバーの自制を促す

スマートループ アイの話題でここまで来てしまったが、それ以外の部分で特筆したい機能を2点ほど簡単に紹介しておきたい。

1つめは、改良されたAR HUD。昨年モデルのHUDでは、左右の表示幅が物足りず、3Dランドマーク表示が近づくと途中で切れてしまう感があった。今年のモデルでは表示範囲が横方向に拡大されており、HUDグラスの先にある実際の景色と、HUDに表示される情報が違和感なく溶け込むようになった。

2つめはARスカウターモードに追加された横断歩道予告検知表示だ。これは信号のない横断歩道の手前にある路上の菱形マークを自動で認識し、横断歩道の存在を画面と警告音で知らせてくれる機能。暗く人通りの少ない道ではついつい安全への配慮を怠りがちになってしまうものだが、この機能のおかげで夜道でもスピードを控えめに走るようになった。アラート自体はまったく煩わしくなく、介入や表示も自然。このあたりのインターフェースもよく考えられているという印象だ。

ARスカウターにAR HUD、そして今回のスマートループ アイと、独自の先進機能で市販カーナビの先頭を行き続けるカロッツェリア・サイバーナビ。利便性と安全性の向上という部分でしっかりフォローされており、その恩恵は使い込むほどに実感できるはずだ。


《山谷克明》

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