クライスラーの新コンパクトモデル『イプシロン』。クルマ好きなら「えっ!ランチアじゃないの」と思うことだろう。
クライスラーはフィアットグループの一員となっていて、同じフィアットグループのランチア・イプシロンを日本でクライスラー・イプシロンとして発売することになったのだ。
新型イプシロンはフィアット『500』と基本コンポーネンツを共有するモデル。日本仕様のイプシロンは、ツインエアと同様の900cc2気筒ターボエンジンを搭載。マニュアル操作も可能なシングルクラッチ式のロボATが組み合わされる。
オートマチックモードでの走りはフィアット500同様にシフトアップの際にアクセルペダルをゆるめるなど、若干のコツを持って運転しないとギクシャクさをともなってしまう。しかし、そのコツをつかんでしまえばスムーズに走らせることが可能だ。また、マニュアルで走る際には、普通にアクセルペダルをゆるめて操作するから、そうした一連の動きが自然と行われている。
フィアット500よりも車重が増えているが、加速感には不満はない。アイドリング時はそれなりの振動が発生するが、アイドリングストップ機構がついているので、エンジンが停止してしまえば当然振動はなく快適だ。また、80km/hを超えるような高速走行になると、かえって振動は感じることなく走れる。
車重が増えると乗り心地が悪くなるものだが、おそらく足まわりのチューニング変更などが行われているのだろう。フィアット500から悪くなったという印象は薄い。
5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。