「86版 App Store を実現する」…86開発担当 多田チーフエンジニア

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  • 86のチーフエンジニア多田哲哉氏
  • デンソーと共同開発した「CAN-Gateway ECU」
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トヨタ自動車が9月4日公開した、サーキットなどの走行データをアプリ向けに送信できる装置『CAN-Gateway ECU』は、同システムを活用したアプリケーションが登場するプラットフォームとして展開し、クルマの新しい楽しみ方を提案することを目指している。

86のチーフエンジニア多田哲哉氏は、「86の企画と同時に、このシステムも開発をスタートしました。車離れがずっといわれる中、高性能なスポーツカーが実現しても、それだけではデジタル世代の若い人達にもう一回車に関心を持ってもらうことは難しい。車を使った楽しみ方など彼らのセンスに合うようなインフラが提供できなければ、スポーツカーが話題になることはないだろうということで、車の開発と同時に今回のシステムの開発もスタートしています」と狙いを語る。

「元々、86のビジネスモデルは、アップルに代表される川上と川下に会社の資源を集中する“スマイルカーブ”、86もそういったモデルにそって開発がされています。車両企画と販売戦略に資源を集中させて、スポーツカーをなんとかしようというものです」(多田氏)とアップルのビジネスモデルを参考にしたという。

多田氏は「iPhoneをはじめとするスマートフォンは、本体だけを持っていても面白くない、たくさんリリースされるアプリと本体を結ぶApp Storeの三位一体で楽しい世界が提供されている。我々にとって86というのはスマートフォンの筐体であるとの認識で、86でのアプリにはハードとソフト2つが存在します。ハードというのはカスタマイズパーツで、86の発売前から車の情報を公開することで発売間もないですが沢山のチューニングパーツが揃っています」

「今回、ソフトウェアのアプリがたくさん登場するように、86本体とアプリを結びつけるための装置がCAN-Gateway ECUとなり、App Storeにあたるものと考えています。このシステムを使っていろんなアプリケーションを想定しています。プレイステーションの『グランツーリスモ』を使って、自分の走りを世界中の人達と共有したり、タイヤやサスペンションを替えるとそのデータに置き換えた走りのシュミレーションもバーチャル上でできます。気に入ったパーツがあったらネット上で購入できるようなインフラも我々で整備中です。まさに、appストアのようなものが車の世界で実現するのではないかと思います」と、CAN-Gateway ECUで実現するサービスの将来像を述べた。

このCAN-Gateway ECUの技術的な詳細は、10月開催のCEATECにて公表、2013年春にレース関係者へモニター提供し、2013年末に発売を予定している。

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