【新聞ウォッチ】「これでいいのか?」過熱する低燃費競争

モータースポーツ/エンタメ 出版物

ホンダ・シビック・ハイブリッド(北米仕様)
  • ホンダ・シビック・ハイブリッド(北米仕様)
  • トヨタ・プリウス
  • 写真:日産テクニカルセンター
  • 写真:日産テクニカルセンター
気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2012年2月28日付

●エルピーダメモリ破綻、提携交渉不調、更生法申請負債4480億円(読売・1面)

●日産、ブロック設計、13年以降の新型車から導入(朝日・9面)

●記者有論:低燃費車、かけ離れた数値競争やめよ(朝日・16面)

●国内新車販売、500万台を期待、12年、自販連会長(毎日・7面)

●オリンパス、役員11人中、社外8人笹新体制を発表(東京・7面)

●石化製品大幅値上げ、原油高や円下落で来月から、タイヤなど価格転嫁も(日経・3面)

●自動車各社、欧州で苦戦、6社中4社が営業赤字に10〜12月、市場縮小、円高も影響(日経・15面)

●会社研究:ブリヂストン、「スリムな巨人」へ着々(日経・15面)


ひとくちコメント

「実際からかけ離れた燃費だと承知で、宣伝に使うのはやめた方がいい」。きょうの朝日の「記者有論」というオピニオン欄のコラムで、同紙経済部の自動車担当記者が過熱化する低燃費競争にズバリ異論を唱えているのが興味深い。

コラムでは、米国カリフォルニア州で、ホンダ『シビックハイブリッド』を所有する女性が、「広告で紹介されているより燃費が悪い」としてホンダに損害賠償請求をしていた裁判で、ホンダ側が敗訴したことを取り上げて、自動車メーカーが公表する「カタログ」の燃費と実際に走行する「実燃費」が「最近のエコカーはその差が大きすぎないか」と指摘。

HVの代表格であるトヨタ『プリウス』を例に上げて、「会員の走行距離と給油量から実燃費を算出する携帯サイト『e燃費」では、プリウスの燃費は約19キロ。新基準の6割、旧基準なら半分のレベルだ」と紹介しながら、「いろいろな運転をして平均19キロなら立派な値だ」とした上で「かけ離れた数値競争はやめるべきだ」と唱えている。

このコラムでは触れられていないが、過度な低燃費競争に頭を抱えている現場の開発者も少なくない。昨日は日産自動車の技術開発拠点である「テクニカルセンター」が30周年を迎えて、記念式典が行われたが、同社では1台の車を4つのブロックに分けて、従来手法のモジュール設計をさらに進化させた「日産CMF」という新技術を導入することを発表した。

このCMFは商品競争力を維持するため、開発コストの削減などを狙ったものだが、同社製品開発本部のある役員は「最大のコストアップ要因は燃費改善のための環境技術」と指摘。「今後も低燃費の新技術の開発に取り組む姿勢は崩さない」としながらも「どこのメーカーも燃費、燃費と、大騒ぎしすぎる」と、開発現場の本音もチラリ。

筆者も「低燃費」が最大のセールスポイントならば、車本来の「走る歓び」とは、少しかけ離れているようにも思える。


★全国のガソリン価格平均推移、価格ランキングなどe燃費のデータは、燃費管理サイトの「カーライフナビ」で見ることができる。

カーライフナビ URL
http://carlifenavi.com/
《福田俊之》

編集部おすすめのニュース

特集