【池原照雄の単眼複眼】トヨタと提携6年、実りのスバル車

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◆“Cセグ以上”に開発資源を集中

トヨタ自動車と富士重工業(スバル)が2005年10月5日に提携を発表して丸6年。富士重工・米国工場へのトヨタ『カムリ』生産委託で始まった両社の提携は、スポーツカーの共同開発や軽自動車生産のダイハツ工業への集約など幅広い成果を積み上げつつある。

とりわけ富士重工側には、軽やコンパクトカーをトヨタグループから調達することで、開発資源を得意とする排気量1.5リットル級以上の小型車に集中してきた成果が膨らんでいる。スバル商品企画本部長兼技術本部長の宮脇基寿常務執行役員も「グローバルではCセグメント(1.5~2.0リットル級)の市場は大きく、商品投入もこの部分を強化したい」と明快な開発方針を示す。

近く日米欧で発売する新型『インプレッサ』は、もちろん純然たるスバル車だが、ある意味トヨタとの提携効果が反映されるモデルとなる。重要市場と見るCセグメントのこのモデルに開発資源を注力した結果が随所に示されるからだ。


◆インプレッサには1.6リットルの新ボクサーエンジン

今回の全面改良でインプレッサは、これまで搭載していた1.5リットル水平対向(ボクサー)エンジンを1.6リットルの新開発エンジンに切り替える。同エンジンシリーズは昨年から約20年ぶりの刷新を進めており、1.6リットルタイプは、昨年投入の2.0リットル(今回インプレッサにも搭載)に次ぐ第2弾となる。

また、新開発したアイドリングストップ装置や、『レガシィ』への設定で人気を得ているプリクラッシュセイフティ技術の「アイサイト」も採用する。こうしたエンジンの全面刷新や環境・安全技術の開発は、軽自動車や1.3リットル級のBセグメント車はOEM調達に割り切ることで、より集中的に取り組むことが可能となった。

ダウンサイジングが進む日本では「小さいクルマは重要」(宮脇常務)だが、「トヨタ、ダイハツとのアライアンスを活用させていただく」ことで、その開発・生産負担が大幅に軽減できるようになったのだ。もっとも昨年11月に発売した『トレジア』(トヨタ『ラクティス』がベース)の開発に当たっては延べ200人の技術者を派遣させるなど、OEMモデルにもスバル色を注入する取り組みは進めている。


◆「軽量・シッカリ」の新プラットホームも

宮脇常務が世界的にはボリュームが大きいと見るCセグでは、当面は欧州限定で近く市場投入される新SUVの『XV』もある。このモデルのパワートレインは新インプレッサと基本は同じだ。また14年に投入する計画の「ジャストフィットの新モデル」(吉永泰之社長)もCセグの範疇だという。

宮脇常務は、「軽量化とシッカリ感を両立させた新プラットホーム(車台)の開発」を進めていることを明らかにしており、この14年の新モデルに採用される見込みだ。もともと車種が少なかったこともあり、軽を除く登録車では新モデル不在という年もあった富士重工だが、今後は毎年途切れなく出していけるという。

トヨタとの提携がもたらす成果は、来春発売予定の共同開発スポーツ『BRZ』がシンボリックな存在となるが、オリジナルのスバル車の熟成や商品拡充にも着実に実りつつある。
《池原照雄》

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