【新聞ウォッチ】VWとスズキとの提携、止まない“すきま風”

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年7月29日付

●中国首相、現場で釈明、「安全失えば信用失う」高速鉄道事故(読売・1面)

●VW、スズキとの提携見直し、決算報告書(読売・2面)

●三洋の白物中国企業に、パナソニック重複解消、環境・エネルギーに集中(読売・9面)

●「減原発」へ工程表,菅内閣エネ政策案(朝日・1面)

●無料通行一般車の6割、東北の高速道、見込みは5%、被災証明の発行想定を超す(朝日・8面)

●円高輸出企業から悲鳴、輸入品、旅行安く、家計には恩恵(毎日・4面)

●夏賞与79万1106円、大手、2年連続増(東京・7面)

●任天堂「3DS」失速人気ソフト不足、本体1万円下げ(日経・9面)

●トヨタ、中国でも投入、新興国向け戦略小型車、13年にも、400億円投資(日経・9面)

●小松左京氏死去、SF草分け「日本沈没」(日経・39面)

ひとくちコメント

自動車業界が「木・金」の振り替え休日を実施してから1か月。記者発表が月、火、水の3日間に集中していることで、さすがに、金曜日の紙面から国内自動車メーカーの記事が消えている。

そんな中、きょうの読売、朝日、毎日(時事配信)、日経が海外からのニュースで、独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が発表した2011年上半期(1〜6月)決算について取り上げている。

それによると、上半期は、営業利益が61億ユーロとなり、前年同期の28億ユーロから2倍以上に増加。 売上高も25.8%増加し、778億ユーロとなって、2011年通年の売上高と営業利益が大幅に増加すると予想。また、VWグループが通年の世界の乗用車需要が前年を上回ると見込んでいるという。

ただ、「VW売り上げ好調」と業績の記事だけを掲載しているのは朝日だけで、読売などは決算報告書で「09年にスズキとの間に結んだ資本・業務提携について、7月以降、見直す作業を進めている」ことが明らかになったと伝えている。

時事配信の毎日も同様で「スズキとの提携見直し」としており、すきま風が吹いている背景を詳しく取り上げているのが日経である。「スズキとの協業が09年末の資本提携から1年半以上経過してもいっこうに進んでいない」としながら「スズキ側はVWがスズキの経営支配をもくろんでいると警戒感を強めているためだ」としている。

現時点では「雪解けにはほど遠い状況」(日経)とみられるが、米ビッグ3のGMをはじめ、提携交渉では百戦錬磨のスズキの鈴木修会長が提携解消を視野に入れながらも、落としどころに向かって,VWをどのように導いていくのかも興味津々である。

《福田俊之》

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