気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2010年12月28日付
●大雪300台立ち往生、福島の国道、車内に一昼夜「日帰りのつもりが」(読売・1面)
●富士重EV販売凍結、最大5年、市場成熟待ち再参入(読売・2面)
●欧州空港大雪でマヒ、「12月は6万便欠航」予測 温暖化で油断、対策お粗末(読売・4面)
●歩道に車 5歳死亡、田園調布家族? 9歳も重体(読売・27面)
●フィギュア全日本選手権、安藤逆転で頂点、フリー完成の域(読売・17面)
●中国系ファンド日本買い、東証1部85社大株主に(産経・1面)
●社説:環境税、事業仕分けが最優先だ(東京・5面)
●中島飛行機に「幻の旅客機」(東京・24面)
●検審判断前、一転、4分の一「起訴」、交通事故処分「不服」112件(東京・24面)
●日立、台湾・鴻海と合弁、液晶子会社の経営権譲渡(日経・1面)
●環境分野国内5300億円投資、シャープやNECなど(日経・1面)
●内閣支持低下26%本社世論調査(日経・1面)
●エコカー向け磁石、レアアース使用4割削減に成功、東北大など(日経・3面)
●日本ミシュラン、タイヤ研究開発者2割増(日経・13面)
●2011年の主な開業施設や交通、列島より速く便利に(日経・31面)
ひとくちコメント
わずか半年前は記録的な猛暑で汗だくの日々を送っていたばかりだったが、年末は強い寒気の影響で交通機関などを大混乱させている。
大雪に見舞われた福島県では西会津町から会津坂下町にかけての国道49号の約12kmの間でトラックや乗用車など約300台が立ち往生し、数百人のドライバーが一夜を明かしたという。
きょうの読売が1面トップで「大雪300台立ち往生」と大きく報じたほか、各紙も「動かない 帰れない」(毎日)と、数珠つなぎで立ち往生する車両の写真を掲載。社会面では疲れ果てたドライバーたちのコメントを取り上げている。
立ち往生した車両は、陸上自衛隊などの除雪作業で26日深夜までにすべての車が現場から脱出したというが、踏んだり蹴ったりの「きよしこの夜」だったようだ。
一方、欧州西部を中心に猛威をふるう記録的な寒波は、英国やフランスなど欧州各国で交通機関を大混乱に陥れ、欧州の交通網のもろさをさらけ出しているという。きょうの読売が国際面で伝えているが、空港の寒冷対策の不備もあらわになり、「地球温暖化で暖冬傾向が続くとの『油断』から対策がおろそかになったとの批判も上がっている」と指摘している。
もっとも、同じ凍てつくようなニュースでも富士重工業は電気自動車(EV)の販売を最大で5年間凍結すると、きょうの読売が報じている。早ければ来年3月にも現行EV、スバル『プラグイン・ステラ』の販売を打ち切るという。
「充電設備が不十分な点や使用するリチウムイオン電池が高価なことから本格的な普及には時間がかかると判断した」としている。富士重工の“凍結”宣言が現実的だとすれば、先行する三菱自動車や日産自動車のEV戦略にも少なからず影響がありそうだ。