トヨタ自動車は4日、新型『プリウス』のブレーキが滑りやすい路面などで一時的に制動力が落ちると指摘されている問題に関し、マスコミ向けの説明会を東京本社で行った。
出席した横山裕行常務役員は安全上の問題はないとの認識を示しつつも「不安がるお客様がいることとは認識している」とし、すでに販売済みのユーザーにも案内を早急に出す方針を示した。
説明会は2010年第3四半期決算の発表に続いて午後3時半から行なった。横山常務は「昨年秋くらいから日本でも販売店を通じてお客様からの声が入っており、対策を検討してきたところABS(アンチロックブレーキシステム)の制御に関するもだと分かった。生産中のものについては1月末からコンピュータのソフトの変更を行った」と説明した。
横山常務は指摘されている現象について「(トヨタの)ハイブリッド車は回生ブレーキと油圧ブレーキを併用しており、ABS作動時に油圧ブレーキに切り替わる時、時差が生じ空走感が感じられる現象。ただブレーキを踏み増せばブレーキは利く」と説明し、安全上の問題はないことを強調した。リコールの基準となる保安基準にも抵触していないとした。
ただ、報道を見て不安がるユーザーが増えていることから、すでに販売した顧客全てに「何らかの形で改良をご案内できる方策を検討している」とし「迅速、的確、誠実に対応していく」と述べた。