選考結果は今年も時代を反映したクルマが選定され、妥当なところに落ち着いたと思います。下馬評どおりの『プリウス』のイヤーカーだったとは言え、同じハイブリットでもシステムのシンプルな『インサイト』の大健闘、ハイブリットではないけどガソリンエンジンとトランスミッションの効率化で燃費を改善した『ゴルフ』の躍進など、まさに燃費競争を反映した今年のCOTYでしたね。
『アクセラ』のアイドルストップも優れたシステムだし、メルセデス『Eクラス』の「ブルーエフィシエンンシー」、1.8リットルの4気筒ターボなんてこれまでのEクラスでは考えられなかった…燃費の改善は一昔前とは桁違いに向上しています。
モストファンの『フェアレディZ』やアルファロメオ『ミト』など運転する楽しみを持ったクルマがキチンと評価されているのも嬉しいし、まだ法人向けリース販売とはいうのがひっかるけど初の量産EVである『i-MiEV』のアドバンスドテクノロジーはまったく妥当です。ベースの『i』もデビュー時に同じ賞を取っており、このクルマのコンセプトや先進性が再評価されたのも個人的には嬉しい。
『レガシィ』のベストバリューは改善された水平対抗エンジンに縦置きCVTなどに価値を認めたということですね。『XC60』だってプリクラッシュセーフティはなかなかのものです。と言うわけで今年もいろいろ面白かったです。
日下部 保雄|モータージャーナリスト/セイフティドライビングインストラクター/テスト・研修業務会社運営
1949年12月28日生まれ。東京都出身。大学時代よりモータースポーツの魅力に取り付かれ、ラリー/レースに参戦。全日本ラリー/全日本ツーリングカー選手権、海外ラリー/レースで活躍、数々のタイトルを得る。またテストドライバーとしても開発評価を行なう。これら活動と並行して、モータージャーナリストとして70年代後半より活動を始め、専門誌をはじめTV、ラジオ、Webなどに多数寄稿。30年以上のキャリアを積む。また安全で楽しいドライビングを目指してドライビングスクールも主宰する。2005年より日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長。