カーナビの便利さというのは今さら説明するまでもないだろう。行ったことがない場所にもスムーズに案内してくれる。だが、その便利さをわかっていてもネックになっていたのがHDDカーナビで20万 - 30万円という価格。これまでは高嶺の花という感じだった。
だが、それを一変させたのが昨年あたりから普及してきたPND。一部にはワンセグ受信機能を付与したモデルもあるが、ナビとしての基本機能に特化させたのが最大の特長ともいえる。
三洋『ゴリラ』シリーズは、DVD/HDDポータブルナビで培った技術を投入したPND。地図メディアには大容量のSSDを採用し、スピーディな検索を自慢としている。
ロードテストに使ったのは4.5V型モニターを備えた『SB360DT』で、4GB容量のSSDを内蔵したモデル。AVNと比較して画面の小ささを気にする向きもあるかもしれないが、実際に使ってみると大きめに配置されたボタン類や案内表示で、このサイズでも全く問題はない。モニターのワンセグ視聴は可能だが、ゴリラ上位機種に採用されているFM-VICSは省かれているのはエントリーモデルゆえか。
さて、いくつかのルートを検索させてみたが、レスポンスの良さをウリにしているだけ会って、さすがに検索は早い。検索データも豊富だ。駐車場の情報を持っている施設については、駐車場そのものを目的地として設定することもできるので、現地に着いてから探す手間が省ける。
テストでは金曜日の夕方に横浜・みなとみらい地区から西新宿の高層ビル群までのルートを引かせてみた。検索後に引かれるルートでは、最短コースを選ぶ傾向があり、第三京浜を利用するルートを表示した。たしかに、幅員の広い道をメインにしているので、平日の昼間であれば空いていて走りやすいことは間違いないが、週末に横浜駅の目の前を通るルートを選択するのは少々覚悟がいる。渋滞情報を参照できないというのはマイナスだ。
ただ、同じゴリラでも上位モデルだったらこの心配からは解放される。FM-VICS内蔵はもちろん、テレマティクス(日産カーウイングス)に対応したモデルもある。それでもインダッシュに収める2DIN-AVNのフルナビよりはるかに安い。だが、FM-VICS対応モデルにも問題がある。それは渋滞を回避するルート(ダイナミックルートガイダンス:DRG)が引けないこと。
その点では通信を介したケータイナビが強みを発揮する。