客観的に見て、メルセデス『Sクラス』、BMW『7シリーズ』、アウディ『A8』などと肩を並べることのできる高級セダン。静粛性は一番だろう。電動パワステなど次世代技術を大胆に取り入れた点でも、このクラスのトップを走る。後方プリクラッシュセーフティなども最先端の技術だ。
一見平凡でつまらなそうなデザインも、よく観察すると不気味な肉感があってけっこうエグく印象に残る。何より嬉しい特徴は、全長5m以上もある巨体に似合わず、まるでスポーツセダンのように身軽なこと。ただしダンパーのスポーツモードが本当に必要かどうかは疑問。ノーマルモードの穏やかな感触の方が、高級セダンにはふさわしい。
これに対してライバルたちは、まったり風味の深いメルセデス、ぱきぱき鋭いスポーツ感覚のBMW、アルミボディに4WDなど先進イメージで突進のアウディなど、それぞれ特徴がはっきりしている。レクサスが「らしさ」を認められるまでは、まだ少し時間がかかるかも。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★☆
熊倉重春| モータージャーナリスト
東京・焼け野原の戦後第一期生。25年間クルマ雑誌に勤めて何でもやったので、フリーのジャーナリストになった今でも何でもやる。いや、クルマのことなら何でも首を突っ込みたがる。今最大の関心事はエネルギー問題。