【池原照雄の単眼複眼】純利益ランキング---収益力も世界を圧倒する日本勢

自動車 ビジネス 企業動向

◆大手3社が3年連続でトップ3に

大型連休をはさんで日本企業は、過去1年の成績表である決算を発表中だ。自動車各社もこれまで7社の発表が終わっているが、5社が最高益を更新するなど「絶好調」と言える状況。そこで世界での日本メーカーのポジションを探るため、円換算による純利益ランキングをまとめてみた。海外市場での順調な拡大に円安効果も加わって大手3社が世界でベスト3を独占、収益力でも日本勢が世界を圧倒している姿が浮き上がる。

ランキングは外国メーカーが2005年12月期、日本メーカーは06年3月期の連結純利益をもとに作成した(=別表)。1兆3000億円規模となるトヨタは5年連続で首位をキープ、ホンダと日産自動車を合わせた日本大手3社は03年度から3年連続でトップ3を独占した。

[別表]自動車メーカーの2005年(度)連結純利益ランク
順位(前年):企業名/純利益/前年比増減率
1(1):トヨタ 1兆3000億円 10.1%
2(3):ホンダ 5970億円 22.8%
3(2):日産 5180億円 1.1%
4(4):ルノー 4848億円 18.7%
5(7):ダイムラークライスラー 4098億円 15.4%
6(8):BMW 3224億円 ▲0.1%
7(10):現代 2777億円 32.6%
8(6):フォード 2338億円 ▲42.7%
9(11):VW 1613億円 56.4%
10(9):PSA 1482億円 ▲37.5%
−(5) :GM ▲1兆2,402億円 −

日本メーカは06年3月期実績(未発表のトヨタは筆者予想)
外国メーカーは05年12月期実績(現代のみ単体ベース)
▲は赤字またはマイナス
外国メーカーの円換算値は
1ドル=117円
1ユーロ=144円
1ウォン=0.12円


◆総じて不振の欧米大手

3社のなかでは厚生年金基金の国の代行部分返上益が営業利益段階で1280億円計上されたホンダが、2割を超える増益で前年の3位から2位に浮上した。ホンダの純利益が日産を上回るのは、日産が再建計画初年度で大幅な赤字決算となった00年3月期以来、6期ぶりとなった。

日本勢の指定席となったトップ3を除く、外国勢の順位は目まぐるしく変わっている。日産からの利益貢献分が税引前利益段階で18億2500万ユーロ(約2600億円)に達したルノーは、2年連続で4位を確保。しかし、1兆2000億円を超える赤字に転落したGM(ゼネラルモーターズ)、大幅減益となったフォードモーターと米大手の不振が際立った。

欧州勢もPSA(プジョー・シトロエン・グループ)が大幅な減益となるなど総じて低調だった。ダイムラークライスラーとVW(フォルクスワーゲン)は増益幅が大きいものの、主力ブランドでの販売は低調。人員削減を柱とするリストラ中であり、今期以降どう持ち直すかが注目点となる。


◆快走の韓国・現代に試練

一方、ルノーとともに好調が目立つのはBMWだ。純利益は小幅減益だったものの、前期の主力ブランド販売はメルセデス乗用車部門を抜いてプレミアム市場でトップとなった。欧州メーカーではもっとも収益力が安定してきた。

起亜(キア)自動車を含むグループの05年世界販売がPSAとホンダを上回った韓国の現代(ヒュンダイ)自動車(単体純利益ベース)は、ランキングを前年の10位から一気に7位まで上げた。

ただし不正資金疑惑をめぐる鄭夢九会長の逮捕により、世界での快走劇に暗雲が立ち込めている。経営者の不正は論外だが、ひとたび経営戦略を誤ると転落も早いのがグローバル競争に直面する自動車業界。前期は空前の好決算となる日本各社も大型連休で英気を養い、持続的成長に向けて兜の緒を締め直す好機としたい。
《池原照雄》

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