危機感のない東京モーターショー |
石田 「重大事故多発して子供の死傷者多数」。集団登校の列にクルマが突っ込むとか。
高木 それは「今年」になって一段と増えました? 交通事故ではなくても、子供が犠牲になる犯罪が増えましたよね。警戒のために集団登校の機会が増えて、事故が悲惨な形をとることが多くなった、みたいな相関関係があるのかな。やりきれないな。
井元 日本自動車業界、今年のメインイベント、「東京モーターショー」。
佐藤 トヨタがあまりにもイメージ先行でリアリティがない。トヨタのブースは、理系の学生の文化祭みたい(笑)。
井元 ショーを盛り上げ、クルマに興味のある人間を育て、優秀な人材がメーカーに来ることによって、物作りの競争力っていうのは高まっていくわけ。トヨタもホンダも物作りの拠点は日本と表明してるけど、ショーではまったくそういう態度ではない。
三浦 会場に来た子供や学生に、クルマ作りしたいと思わせなきゃね。日産がよかったとは思わないんだけど、人の心をつかんだ。
井元 日産の『ピボ』はちゃらちゃら悪口言われてるんだけども(笑)、コンセプトカーとしてアリだと思う。
高木 バイワイヤ技術を視覚化しているデザインです。
井元 それからジャパンパッシングの危機。東京モーターショーで世界の国々が出展してるのは、自動車先進国日本で存在感を示すため。だけど今後、客になってくれそうなのはむしろ中国。韓国も自由化のあかつきには日本よりは輸入車を買ってくれるのではないかという期待感がある。
石田 バッシングではなくてパッシング、「通り過ぎる」。
井元 そう。北京、上海、ソウル、バンコク、ああいうところにビジネスショーとしての立場を奪われてしまう。そういった危機感がないね。
石田 私が今回のモーターショーの中で一番面白かったのは、アンゼンジャーショー(笑)。どこまで脱線していくんだろうって。
高木 あれはアドリブではないんですよ。2回見たら(笑)おんなじこと言ってるんだもん。
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