水冷になって久しいポルシェ『911』なのだが、997型になってからさらに乗りやすくなったと思えた。ペダルのレイアウト、ステアリングとの位置関係、クラッチミートのタッチ、サウンド、そんなすべてにアクがなくなり、万人に認められるスポーツカーになったのだと思う。
もちろん飛ばせば911そのもの。やや危うい印象を残しながらハイウエイを矢のように突き進むし、高いトラクション性能をアピールしながら加速する。コーナーでのフワフワな印象も薄れた。
かつての超個性的なポルシェがいいという意見もあるだろうが、最新のポルシェはやはりいまでも最良のポルシェなのである。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
木下隆之| モータージャーナリスト
プロレーシングドライバーにして、大のクルマ好き。全日本GT選手権を始め、海外のレースでも大活躍。一方でカー・オブ・ザ・イヤー選考委員歴は長い。「ジェイズな奴ら」を上梓するなど、作家の肩書きも。