トラック4社は、2005年10月に迫ったディーゼル車の「新長期排ガス規制」への対応技術を今回のショーで提示している。
4社のうち、日産ディーゼル工業と三菱ふそうトラック・バスが大型車向けにNOx(窒素酸化物)削減の新技術として注目される尿素SCRシステムの採用を行うが、残る2社は既存技術の改良などで対応、方向がはっきりと2分された。
コモンレール式燃料噴射装置や独自のPM(粒子状物質)補足装置「DPR」などを組み合わせる日野自動車の蛇川忠暉会長は「尿素水を常に積むわずらわしさなどを、ユーザーがどう判断するか」と、尿素SCRは様子見という立場。
いすゞ自動車の幹部も「コストアップの一方、改善されるという燃費性能がどう評価されるか」と、見ている。
もっとも、日野、いすゞともに尿素SCRシステムの研究・開発にも鋭意取り組んでいる。蛇川会長は、さらに強化される「ポスト新長期規制」には「尿素が必要になろう」と、将来は欠かせない技術と見ている。