硬派そのもののスポーツセダン。セミレーシングタイヤのグリップと乗り心地はそれだけでレーシングな気持ちにさせてくれる。
さすがにSTiによるターボエンジンは非常に速く、SUVとは思えないほどの瞬発力を秘めるが日常の使い勝手もまったく問題ない。
エンジンからシャシー、ボディとすべてを一新したクラウンは、今までのクラウンの概念を変えようとする意気込みが感じられる。
全長4390mm。きたるべきゴルフVの19cm増しで「あとふたり」乗せられる純家庭用ゴルフ。
「いつかはクラウンからBMWやメルセデスに行ってしまう」若年層に対処した12代目。欧州風のプロポーションとサスペンションを得て、たしかに10歳若返った感じ。
まさかフォレスターがこれほど締まった走りを見せてくれるとは、新作STi仕様に乗るまで想像もしなかった。
トゥーランがあればゴルフ・セダンはいらないと思えるほどの万能優等生。背高ノッポのミニバンなのに、走る手応えに至るまできっちり乗用車の基準を満たしている。
はっきりいって中途半端だ。念入りな作り込みやかゆいところに手の届く装備の充実ぶりはクラウンそのもの。その一方で「ユーザー像の若返り」も謳うが、狙い通りになっているような、いないような。
MRのスタビリティの高さには驚かされる。サーキットのラップタイムを大幅に短縮させるものではないが、荒れた路面での接地性は劇的に進歩しているし、ロールチェンジした時などの安定感は際立っている。
きわめて日本的な、中小企業の社長が走らせて満足できるような、そんな優しい走り味がクラウンの特徴だった。船のような乗り心地でいいのだとしてきた。