新型アウディ『A4』は一言で言うと傑作だ。細かく見ると気になるところもあるけど、総体的に非常によく出来ている、魅力的なクルマである。最近のアウディはドイツ車の中で一番ドイツらしいブランドである。
新型『C5』は旧型とエラい違い。製造品質や完成度がかなり上がったセダンにしてもワゴンにしても、どっちも業界の傑作だと思う。フランス流のデザインの華やかさと、上品なテイストの抜群な融合を高く評価したい。
どの角度から見ても、新『A4』はとにかくハンサムで頭良さそうに見える。美しくまとまったスタリングを採用しながら、今回のモデルはシャシー剛性の向上とサスのチューニングのおかげで、ハンドリングや乗り心地がだいぶ進化した。
低速で走っているときはコトコトと路面の凹凸を伝えてくるが、速度を上げるとすーっと乗り心地が良くなる。
先代の『C5』の乗り心地は、『C6』が登場してもなお、もっともシトロエンらしいシトロエンであった、と思う。運転していて酔いそうになったもの。
ドイツ車の価値観・乗り味が尊ばれる日本の輸入車市場において、マーケティング的な正解は、他国のクルマでも"ドイツ車のテイスト"をベースに派生的な個性を持ち出すことだ。
今年の輸入車の中でもっとも注目したいのはアウディ『A4』とシトロエン『C5』。お互いによきライバルとして日本に上陸したが、ここではアウディA4の非凡さについて述べてみよう。
『スプラッシュ』は、スズキのハンガリーの子会社「マジャールスズキ社」によって『スイフト』や『SX4』などとともに製造され、すでにヨーロッパ14か国で販売されている。スイフトをベースに作られ、背を高くし、ファミリーや女性ユースに訴求している。
前車軸の位置を従来より前に出した新しい車体の採用で、新型『A4』が得たのは伸びやかなプロポーションだけではない。その走りは格段に進化。前後重量配分の改善などにより、走りの正確性が高まり、乗り心地も俄然しなやかになったのだ。
外から眺めても、中に座っても、『A4』という気がしないほどの大きさと広さ。ほとんど『A6』と大差ないサイズ感で、とくに横方向の余裕が大きい。質感も十分。その点で、まず『3シリーズ』や『Cクラス』をリード。