シトロエンはちょっとアバンキャルド(都会的)なブランドだ。今回の『C5』はスタイルも精悍だが、走りもずば抜けた快適性を持っている。
シトロエン『C5』の素晴らしさは窒素ガスを使った気体サスペンション、「ハイドラクティブ」を抜きには語れない。これに電子制御によるアクティブ制御は「お節介」な感覚が全くなく、とても自然な感触がある。
Dr.ピエヒはアウディの副社長だったころお忍びで来日し数々の日本車を試乗し、アウディは作り込み品質をトヨタ車の水準以上へ引き上げることを目標に掲げた。最新の『A4』を含めアウディ車の仕上げ品質、質感は日本車を凌駕している。
『A4』だけではないが、アウデイというクルマを見た目だけで云々することはきわめて難しい作業だ。それは、水晶玉の優劣を論ずる様なものだからだ。
『A4』の目玉は、なんと言っても前後重量配分を理想値に近付けるためにフロントアクスルの位置を変更した新プラットフォームの存在。
『A4』を名乗るようになって早くも4世代目になる現行モデルがデビューしたとき、僕はそれに素直に賛同できない気分だった。
試乗したのは「1.8TFSI」で駆動方式はFFである。いわゆるベーシックモデルといわれるスペックだ。
1.8リットルターボとV6の3.2リットルという両極端のエンジンをラインナップしているが、動力性能は1.8のFF車で十分。軽快感がある。
シトロエン独特の雲の上の絨毯のような乗り心地が、この『C5』にも完全に受け継がれているのがシトロエンファンにとっては嬉しい限りだ。
アウディの質感の高さ、精緻な創り込みはエクステリアもインテリアも世界最高のレベルだ。友人を乗せたときに自慢できる大きなポイントになる。今回のモデルチェンジではハンドリング性能もその質感に負けないレベルに向上した。