新型マツダ『アクセラ』では2.0リットルのFF車に停車中のアイドリングを休止する「i-stop」が設定された。直噴エンジンの特徴を生かした機構で、素早い再始動が可能。
再始動時には多少の振動があるが、まあ苦にならないレベル。シンプルで幅広い車種に展開可能な環境技術として注目に値する。
とはいえ、同じアクセラで見ても1.5リットル車に乗ると、これで十分という感じになる。新たにCVTと組み合わされた1.5リットルエンジンは、静かで滑らかに良く走る上に燃費も2.0リットルのi-stopより優れているからだ。
悩ましいのは2.0リットル車では標準装備のVDC(横滑り防止装置)が、1.5リットル車になるとオプション装着もできなくなってしまうこと。重要な安全装備で選択すらできないのは困ったもの。法規が違うとはいえ、欧州などでは全車標準にしているのだから、日本でも標準装備にすべきだ。
アクセラは全体に硬めの乗り味とシャープなステアリングフィールで、いかにもスポーティな乗り味はこれぞマツダ車といった雰囲気を持つ。それを徹底させたのがマツダスピードアクセラで、ボディはハッチバックだが走りのフィールはスポーツカーだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリー
ランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強
いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。