先代にあたるトヨタ『ハリアー』ハイブリッドはある種マッスルカー的で、トヨタ車の中では隠れた暴れん坊的存在だったが、レクサス『RX450h』はそういった面白さがなくなった分、安心してパワーを引き出せるクルマになった。税制優遇や燃費の良さを含めれば、純ガソリン車の「RX350」との価格差は実質的にゼロに等しく、買うならハイブリッドのRX450hが断然おすすめ。実際、売れているのはほとんどが450hだという。モーターだけでもかなり走ってくれるし、エンジンがかかってからも静かなので、ハイブリッド車らしい未来感が持続するのもいい。LED式ヘッドライトやナビをコントロールするリモートタッチといった装備もこれからのクルマにふさわしいものだし、オプションのレーダークルーズ&プリクラッシュセーフティシステムが14万7000円と安いのは素晴らしい。一方、スイッチ類の分かりにくさ、DC12V電源の使いにくさ(AC100Vも標準ではない)、小回りの効かなさなど、日常の使い勝手に不満があるのは今後の課題だろう。『GS450h』や『クラウン』ハイブリッド同様、RX450hもモーターを過給器のように使った強烈な加速を「売り」とするモデルだが、こうした速くて未来的な乗り物というポジションは、これはこれでハイブリッドのあり方だと思う。ただしRX450hの実燃費は10km/リットル程度で、燃費は絶対的には良いとはいえない。この程度の燃費で、購入諸費用分程度のお金がタダになるというエコカー減税・補助金制度が適応されるのはかなり不公平だと思う。RX450hの実燃費程度のガソリン車は他にもある。「何が何でもハイブリッド」ではなく、「ガソリン車でもいいクルマはある」。もし新政権ができたとしたら、そのあたりを考慮の上、購入促進策を打ち出してもらいたいものだ。■5つ星評価パッケージング:★★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★★水野誠志朗|自動車ライター97年に新車試乗記を中心とするウェブマガジン「MOTOR DAYS」を立ち上げ、以来毎週試乗記をアップし、現在550台を超える試乗記を公開。「クルマはやがてはロボットになる」として、走りだけでなく利便性・安全・エコの面から新たなクルマのあり方を提言している。名古屋市在住。
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