世界レベルでもっとも売れている『レガシィ』は「アウトバック」だという。サイズアップした新型のボディは、その状況を踏まえてアウトバック基準でデザインしたんじゃないだろうか。3つのボディでいちばんサマになっているからだ。
そういえば新登場の3.6リットル・フラット6エンジンが積まれるのも、わが国ではアウトバックだけ。「日本じゃ2.5リットルでじゅうぶんでしょ」と思いつつ、走り始めると驚きのスムーズネスと静粛性、トルクの余裕に圧倒される。広い室内に身を置いてこの加速を味わっていると、レガシィより格上のクルマに乗っている感じさえする。
高めの車高とストロークの長いサスペンション、ハイトのあるタイヤのおかげで、身のこなしは「ツーリングワゴン」よりおだやか。でも大きくなったボディに対しては、このぐらいの反応が自然だ。
サスペンションアームに対してホイール/タイヤが重いようで、ショックを受けたあとブルブルした揺れが残るのは気になったけれど、それさえクリアできれば世界屈指のグランドツーリングワゴンになることだろう。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★
森口将之|モータージャーナリスト
試乗会以外でヨーロッパに足を運ぶことも多く、自動車以外を含めた欧州の交通事情にも精通している。雑誌、インターネット、ラジオなどさまざまなメディアで活動中。著書に『パリ流 環境社会への挑戦』、『クルマ社会のリ・デザイン』(共著)など。