アクセルを全開にした瞬間、スーパーチャージャーが唸る。『R』の加速力はスゴイ! 406psでリヤタイヤが大地を蹴飛ばす。ポルシェのようなダッシュ力だ。
ドライバーズシートに収まったときの気分が印象的だ。肩口から上のほぼ全周にわたってガラスが張り巡らされ、キャブフォワードによってモノスペースとした室内の広がり感とエアボリュームが、さらに開け透けな印象を深めている。
ここが変わったと具体的に指摘されないとわからない。グリル回りと前後バンパーなどがリファインされたのだが、どれも最初からそうだったように見えたりして。
ATがないために日本への導入が遅れていたモデルだが、実際に乗った印象は期待を上回るほどではなかった。
マイナーチェンジが行なわれたが、今回はフェイスリフトが中心。パワートレーンなどは前回チェンジのときに改良が加えられており、大きく変わった部分は少ない。
思わずウットリしちゃうような世界はもっていないけれど、マジメに設計された小型車。清潔感溢れる内外見た目も加点要素。骨太で信用できそうな乗りアジ。
フランス車らしいお洒落なクルマだ。ドライビングシートに座るとサポートもいいし、センターアームレスト付きなのもうれしい。大型の三角窓など、まわりがガラスで囲まれ、非常に開放感があるのが特徴。
エクステリアは丸みを帯びた可愛い雰囲気から、幾分大人びたフォーマルなイメージに成長。ただし、インテリアは、ジャガーらしい伝統のクラシカルなムードを踏襲している。
昔からユニークなクルマ作りを通しているシトロエンだが、『ピカソ』は誰でも飽きずに長く乗ることができるだろう。
熟成によって、こんなによくなっていく例も珍しい。最初が悪かったとはいわないが、はじめからこのレベルの仕上がりだったら、もっと人気が出たろうに。