ラインアップではベースグレードに位置づけられるガソリン車。後席センターアームレストは非装備など、シンプルな実用前提車といった趣だが、これはこれで悪くない……そう思えた。
シリーズ名がとれ、シンプルに『シャトル』と呼ぶようになった新型。前モデルと較べると、ホイールベースが+30mmなのに対し、全長は+15mmに留められている。FFモデルは全高を1540mmに抑え、市街地での立体駐車場問題にも対応させている……なども、実用前提の配慮だ。
都会で乗る『アウトバック』。少し高めの着座位置は、幹線道路で中央分離帯の植え込み越しに対向車線も見渡せ、心の余裕、ゆとりができるような気がした。遠出だけでなく日常的にも、このクルマの持ち味が体感できる……という訳だ。
試乗車は“非カスタム”『N-BOX』のノンターボエンジン搭載車。最新モデルだから、グリルのメッキの横バーが1本入るなどして、さり気なくイメチェン。ホワイトパール1色の外観は、2トーンではないベーシックな『MINI ONE』のように、プレーンで清々しい。
「スパーダ」は人気のラインで、新型の初期受注でも実に7割を超えているという。“Cool Spirit”はその上級仕様で、17インチタイヤ&ホイール(FF車)を履き、内装では合皮と織物のコンビのシート表皮などが専用だ。
乗り較べの妙というべきか。最上級グレード「HSE Luxury」の走りは、別に試乗した「SE」とは格段に違っていたから、だ。両車の価格差はちょうど200万円と大きいが「なるほどねえ」と唸らされた。
モダンでシャープな顔つき。フェイスリフトで『カローラフィールダー』は、セダンの『カローラアクシオ』同様、オトコを(!?)あげた。リヤもバックドア側までランプを延ばすなどして、見え方が豊かになった。
990kgの車重を達成したベースモデルの「S」。タイヤサイズ(195/50R16 84V)は他のパッケージ装着車と共通で、アルミホイールまでも予め履く。が、シリーズ内で最大70kgの軽量であくまで手頃である意味は、街中を中心に走っただけでも理解できた。
高級セダンにヒケを取らない上質な乗り心地や静粛性、走行性能…それがら発売直後のユーザーからの評価点として高かったという。まったくその通りで、ユーザーの期待に応える商品性の高さは、改めて実感するところ、だ。
ミニバンというより、もはや3列シートの実用セダン…暫く試乗しながらジワジワと実感するのは、そういう印象だった。