【メルセデス AMG GT S 試乗】超高性能、だけど人当たりがいい…島崎七生人

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メルセデスAMG GT S
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人生このかた、雨の湘南、134号線をクルマで流した経験ならいくらでもある。けれどこんなとてつもないマシンの車窓から、まさか煙る江ノ島を眺めることになろうとは……。

やれやれ……作家・村上春樹氏の昔の作風ではないが、一時は天候を鑑み試乗を辞退したほどの心境になった。が、実車は、低く幅広いサイズこそ存在感があるが、普通のヒンジドアや、ピニンファリーナあたりを思わす優しいデザインのリヤエンド等、『SLS AMG』に較べ人当たり(!?)はいい。

インテリアは幅広なセンターコンソールは当然として、そこに前方からPーRーNーDと表示のあるシフトレバーがある。その右斜め前方には赤色の照明が灯るエンジンの始動&停止ボタン。案外とコンベンショナルな造りにホッとさせられる。

ポジションは低い。が、2本の“パワードーム”が引かれた広大なボンネットが見渡せる視界はまるで「W126」のような眺めで、現実の路上での車両感覚の把握は容易。シートもバケット式だが、決して身体(と気持ち)を硬直させることなく、快適な着座姿勢を作り出す。

Vバンクの中に2つのターボチャージャーを配置したAMG製 4リットルV8(510ps/66.3kg・m)は、限りなくキャビン寄りの搭載。トランスアクスル方式も採用し47:53の前後重量配分は、軽量化設計のおかげで1670kg(標準車)の仕上がり。

テイスティング程度で、クルマがアドレナリンを溢れ出さす以前だったが、“最強”の「RACEモード」でも、極太なトルクによる加速の中にあっても、あくまでジェントルな雰囲気なのが印象的だった。他方「Comfortモード」では街中での乗り心地は(運転中も横に乗っていても)なめらかに感じるくらいで、静粛性や快適性にかけてほかのメルセデスベンツのセダンに匹敵するほどでもある。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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