試乗会場に1台だけ用意されていた「Gグレード」。モノトーンの外観はAピラーやドアハンドルがボディ色、花びらがモチーフというホイールキャップ付きと心が洗われるほどスノッブ。けれど、このモデルが「いいね!」だったのである。何がいいかというと、走りである。「G」はシリーズのベースモデルにして唯一、自動クラッチの5AGSが組み合わせられる。この走りが非常に爽快でリズミカルでスムースで自然体、なのである。微低速から巡航、いかなる加減速でも的確なタイミングと所要時間で変速を実行してくれる。同様の2ペダルの『フィアット500』の最新モデル以上の洗練度だ。CVTが35.6km/リットルのカタログ燃費を打ち立てたのは事実として、コチラの5AGSの走りっぷりも、現実として、相当に高効率で合理的なセッティングになっていそうな感触。機会があれば実際の燃費を確認したい。650kgのシリーズ最軽量のボディだが、乗り味、走行中の静粛性、快適性も十分。装着タイヤ(BSエコピアEP150)は専用チューンだそうだが、他社他モデルでも経験してきた同タイヤ中、もっとも快適性と走行性能のバランスが高いと感じられた。豊富な専用アクセサリーが用意されており、装備や仕様の“自力”でのアップグレードは可能。だがヘッドランプ(非ディスチャージ)、エアコン(非ナノイー)など大物のアイテムに差がつくのは残念。大人の事情はあるとして、走りのよさから、上位グレードのひとつにこの5AGSも是非設定してほしい…と心の底から思った次第。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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