ノーマルの『タント』のオススメ度が★×4であるのに対し、こちらは★×3。パワーソースもフットワークも評価が高いのに、どういうことよ、と問い詰められそうだが、本誌の場合、年齢も評価軸もちがう書き手が何人も試乗記をよせる。ゆえ、あえて筆者の意見である。
スライドドアの便利さは、使ったらやみつきである。風の強い日や、雨でさっと傘をあけたいときなど、隣のクルマにドアパンチを食らわせる心配ゼロの安心感といったらない。
当初、登場した『208』シリーズの印象は、決していいとは言えなかった。
燃費の悪いハイブリッドに、なんの意味があるのか? 私世代の女性のほとんどは、そう思っていることだろう。
『カローラ』はソツのないクルマである。100人が乗ったら99.9人が、なんの違和感も抵抗感もなく乗りやすいと感じるのではないだろうか。カローラが持つ、人になじむ腰の低さ。しかしそれは、ハイブリッドの登場で少しだけ様相が変わってくる。
「輸入車は恋愛、国産車はお見合い」とは、よく言われるセリフである。
イタリアに住んでいたとき、強く思ったことがある。街のなかにいくつも現れるラウンドアバウト。タイミングを見計らって、一気にぐっと入り、出たいところで間違いなく出るためには、それなりのサスペンションが必要になるということだ。
なめらかな流線型への思慕は、女性の方が強いと思う。「強い・速い・大きい」という男性がクルマに必要とする三要素を背負い続けるメルセデスにおいて、『CLA』の登場は拍手喝采以外のなにものでもないだろう。
基本は電気自動車。
むずかしいなあ、というのが率直な気持ち。4人で乗るなら、セダンがあるし、荷物を積むならワゴンがあるし。大きさが物足りないなら、『5シリーズ』に行けばいいわけで。日本でリアガラスごと開くボディは、なにかと受入れにくいのである。欧州では大人気なんだけど。