ハイブリッドに対抗する環境技術、アイドリングストップ。確かにね、テレビだってエアコンだって使わないときは自動的に消えてくれるんだから、クルマだって信号待ちでは止まってもらいましょうよ。
コンパクトカーを中心に仕事をする私にとって、BMW『7シリーズ』のでかさはかなりヤバイ。乗った瞬間、どこかにぶつけるんじゃないかと初心者マークのような挙動不審者になってしまう。でも、ほんの数時間、乗っているとその不安が守られ感に変わってくる。
オフロードに仕立ててもエレガントさはそのままというアウディってすごい。どんなに着くずしても上品さが失われない一流モデルみたいだ。
SUVは単なるオフロードに強いクルマではなく、オールラウンドに走破できる高級車でもある。そしてそれがハイブリッドになると、ものすごくリッチな気分になるのだと、レクサス『RX450h』に乗るとよくわかる。
日本車のユーザーは下克上で、どんな高級車でも子供が乗ってしまう。似合わないアンバランスさをよしとするところがあって、オトナとしては居場所がなくなるのだ。
フランス車ってつくづく挑発的だと思う。ミドルクラスで家族ターゲットのシトロエン『C4』。デザインはこんな丸っこくてオトナシイし、ダッシュボードは広くて車内はゆったり空間だし、座ればシートはしっとりふかふか。そうして油断をさせておきながら……。
なんという品格、なんという存在感。こんな小さいくせに、ものすごいフェロモン噴出である。大胆なデザインが許されるのはイタリア車ならでは。フロントグリルのアルファ印の似合うことといったら尋常じゃないのだ。
まいっちゃうなあと思う。ものすごく条件のいいお見合い写真を見せられ、会ってみたらそのとおりの好青年だったという感じ。
やばいなあと思う。超燃費がよくて走りやすいからだ。環境や経済性を考えるとハイブリッドは注目なのだが、そろばんオヤジが電卓使うような、どこかラクしちゃって大切な魂を失っていないか? という罪悪感があったものだ。
『V50』は、かつておじさんグルマであった。ボルボのなかではコンパクトなサイズで、ターゲットは反射神経と感度がいいミドルエイジであるはずなのに、乗ってみるともっさりでがっかり。