日本車のユーザーは下克上で、どんな高級車でも子供が乗ってしまう。似合わないアンバランスさをよしとするところがあって、オトナとしては居場所がなくなるのだ。
しかし、レクサス『IS250C』は、れっきとしたオトナのクルマだ。乗れるもんなら乗ってみろ、子供! と、大声でいいたくなる上品な色気があふれている。屋根を締めた状態でも違和感のないさりげなさも、ほどよく肩の力が抜けて好ましい。
密度の濃いしっとりした足回り。オープンにしてもボディのよれない乗りやすさ。手を抜かない上質な仕立てのインテリアは、シートに大胆な色も用意され、これぞオープンのお楽しみである。
20秒で開く電動オープントップをあけて木漏れ日の中を走れば、これを極楽といわずしてなんとしよう。サイドウィンドーを開けた上体でも、風の巻き込みが少なくて髪が暴れることはない。いまやUVプロテクトのクリームは豊富にあることだし、日焼け上等で女性に乗りこなしていただきたい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省安全基準検討会検討員他、委員を兼任。