コンパクトカーを中心に仕事をする私にとって、BMW『7シリーズ』のでかさはかなりヤバイ。乗った瞬間、どこかにぶつけるんじゃないかと初心者マークのような挙動不審者になってしまう。でも、ほんの数時間、乗っているとその不安が守られ感に変わってくる。
それは決して私が順応したのではなく、750iのインテグレイテッド・アクティブ・ステアリングなる後輪まで角度を変えるシステムゆえの取り回しやすさなのだ。
V型8気筒、407馬力で600Nmの圧倒的な力強さといったら、2tを超えるボディをするすると加速させていく。はあ、これだけで「ごちそうさまでした」と言いたくなる気分だ。コンフォート/ノーマル/スポーツ/スポーツ・プラスとスイッチを切り替えると、走りが変化して別の表情をみせる。特にスポーツ・プラスの過激さといったら、7シリーズ=ゆったりを完全に覆す意外さである。
やっぱりBMWって攻めのクルマなのね。油断した私が悪かった。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省安全基準検討会検討員他、委員を兼任。