トヨタV6か、AMGターボか? ピュアエンジンで“リアルドライビング”を味わう、ロータス『エミーラ』という選択肢

ロータス エミーラ ターボSE(ツーリングサスペンション)
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70年以上にわたる歴史を持つ、英国スポーツカーブランド「ロータス」。近年のロータスというと、『エメヤ』や『エレトレ』といったBEV(電気自動車)が話題となっているが、内燃機関のスポーツモデル『エミーラ』もしっかりとラインアップされている。

【画像】日本で購入できるロータス『エミーラ』ラインアップ

ロータスは2022年に登場したエレトレを皮切りに、ラインアップの電動化を推進してきたが、BEV市場を取り巻く環境の変化により、今後もエミーラの生産が継続されることが決まった。今回はそんなエミーラの魅力を、改めて振り返る。

◆英国ヘセルで生まれた「もっとも完成度の高いロードカー」

ロータス エミーラロータス エミーラ

2022年、ロータスとして内燃エンジン搭載モデルの集大成であり、最後のクルマとして登場したエミーラ。ブランド初のハイパーカーと呼ばれる『エヴァイヤ』からインスピレーションを受け、滑らかなサーフェイスと鮮明で特徴的なラインを表現したボディをまとう印象的なデザインとともに、スポーツカーでも、最高の乗り心地とハンドリングを両立。さらにダイナミックなパフォーマンスと卓越した空力特性などから、“For The Drivers”、比類のない体験を届けるというフレーズで登場した。

車両の製造は、イギリスはノーフォークのヘセルにあるロータスの本拠地で行われ、「ヘセルのファクトリーゲートを通過する車両の中で、最も完成度の高いロータスロードカー」とロータスはコメント。日本にも導入以降600台が登録されている。

◆トヨタ製V6エンジンを搭載した「エミーラV6」

ロータス エミーラ V6 FIRST EDITIONロータス エミーラ V6 FIRST EDITION

エミーラに搭載されるエンジンは大きく分けて2つ。まずは『エキシージ』と『エヴォーラ』にも搭載されていた3.5リットルのスーパーチャージャー付きV6エンジンの「エミーラV6」だ。

トヨタ製V6(2GR-FE)エンジンにロータスでスーパーチャージャーを組み合わせたもので、最高出力405ps(298kW)/6,800rpm、最大トルクは420Nm(42.8kgm)/2,700-6,700rpm(ATは430Nm(43.8kgm)/2,700-6,700rpm)を発生する。トランスミッションは6速MTと6速ATの2種類から選べる。

ロータス エミーラ V6 FIRST EDITIONロータス エミーラ V6 FIRST EDITION

6速MTをドライブすると、がっしりとしたシフトフィールとともにクラッチは若干重めなので、「スポーツカーに乗るぞ」という気持ちになる。因みにアクセルペダルは軽く、ブレーキはカツンと利き、クラッチは重めという操作類のバランスがいまひとつなのはご愛敬。V6だけあって低速からトルクが発生してくれるので、街中でも楽に走らせられる。

エンジン音はスポーツカー然とした荒々しさを感じさせるもので、『ハリアー』や『アルファード』に搭載されたものと同じエンジンとは思えぬほど。それでいて、GTカー的な要素を持ち合わせた仕様となっているのが特徴だ。

◆AMG製ターボの「エミーラターボ」

ロータス エミーラ FIRST EDITIONロータス エミーラ FIRST EDITION

2.0リットルターボを搭載するベースモデルが「エミーラターボ」だ。AMGと共に開発されたツインスクロールシングルターボチャージャー付き4気筒エンジン(Mercedes-Benz AMG M139)は、最高出力365ps(360bhp)/6,600rpm、最大トルク430Nm/3,000-5,500rpmを発生。8速DCTが組み合わされる。

V6と乗り比べると、ATの変速に任せて走らせている限りは「若干キャラクターが薄い」と感じる。だが、手動のパドルシフトを使ってしっかりと上まで回すような乗り方に変えると、高回転域まで気持ち良く回り、ドライビングの楽しさを思い出させてくれるエンジンだとわかる。

乗り心地はV6よりもハードで正直にハーシュネスをドライバーに伝えてくるものの、高速のコーナーで段差があったとしても、だらしなく跳ねたりしないのはミッドシップによる重量配分とともにサスペンションのチューニングが上手くいっている証左だ。

◆高性能バージョン「エミーラターボSE」とサスペンションの違い

ロータス エミーラ ターボSE(スポーツサスペンション)ロータス エミーラ ターボSE(スポーツサスペンション)

また、AMG製2.0リットルターボには高性能バージョンもある。それが「エミーラターボSE」だ。エミーラターボをベースに最高出力40ps、最大トルクを50Nm向上させ、406ps(298kW)/6,500rpm、480Nm(48.9kgm)/4,500-5,500rpmを発揮。最高速度も16km/hアップし291km/h、0-100km/hタイムは4.0秒を記録するという。

正直なところ、信号からのスタート時はSEの方が若干トルクの厚さを感じる…というレベルで、日本の公道を走る分にはターボとターボSEの差を感じることは難しい。

ロータス エミーラ ターボSE(ツーリングサスペンション)ロータス エミーラ ターボSE(ツーリングサスペンション)

今回はエミーラターボSEで、「スポーツサスペンション」と「ツーリングサスペンション」の違いも体感することができた。これらのサスペンションの違いは、パワートレインの違いよりも大きいと言ってよいだろう。

タイヤは、ツーリングにはグッドイヤーイーグルF1スーパースポーツを、スポーツにはミシュランパイロットスポーツカップ2が装着されていた(どちらもタイヤサイズは前:245/35 R20 後:295/30 R20)。スポーツのサスセッティングはハードで回頭性などが向上し、よりスパッとコーナーの内側に頭を向けてくれる感覚。段差などを超えるとハーシュネスはしっかりと感じられスパルタンではあるものの、速度域が上がれば(60km/h以上)しなやかさも味わえる。過度な疲労にはつながらなさそうだと感じた。

ロータス エミーラ ターボSE(ツーリングサスペンション)ロータス エミーラ ターボSE(ツーリングサスペンション)

◆今、ピュアエンジンスポーツに乗るという価値

エミーラに乗ると、リアルドライビングという言葉が思い起こされる。電子制御が介入せず、ダイレクトにクルマと対話できる楽しさが溢れているからだ。

個人的にどれかを選ぶとすれば「エミーラV6」だ。もちろん6速MTを組み合わせる。ピュアエンジンスポーツをMTで走らせるという体験は、今の時代においてもはや絶滅危惧種的な価値がある。また、低速域から盛り上がるトルクによる乗りやすさ、GTツアラーとしての性格がよりエミーラという個性にマッチしていると感じた。

ロータス エミーラ V6 FIRST EDITIONロータス エミーラ V6 FIRST EDITION

一方のターボは、DCTとの組み合わせということもあってMTと比べるとダイレクト感に乏しい。それでも、パドルシフトを使って高回転域までしっかり使って走らせる、古き良きロータスを味わいたいならこちらだろう。であれば、あえてスポーツサスペンションを選択し、実用性はある程度割り切って乗るというのも魅力的な選択肢となる。

もし、V6を検討するのであれば今がチャンスだ。現在日本に在庫がある「V6 FIRST EDITION」であれば1573万円と、ターボよりも低価格で購入可能だ。ロータスジャパンによると、今後は為替の変動もあり価格上昇が見込まれるとのこと。

2026年4月22日時点のラインアップと価格は以下の通り。

・エミーラ V6 FIRST EDITION:1573万円
・エミーラ FIRST EDITION:1661万円
・エミーラターボ:1761万5400円
・エミーラターボSE:1823万1400円

 (いずれも税込)

ロータス エミーラロータス エミーラ
《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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