スズキのインド子会社のマルチスズキは、インド国内で包括的な電気自動車充電システムを構築すると発表した。
13の充電ポイント事業者および集約事業者と協業契約を締結し、単一プラットフォームでシームレスな充電体験を提供する。
同社は全国のディーラーネットワークを通じて、2000基以上のマルチスズキ専用充電ポイントをすでに展開している。さらにパートナー企業が運営する充電網と合わせ、2030年までに10万基以上の公共充電ポイントを整備する計画だ。
マルチスズキの竹内寿志社長兼CEOは、「電気自動車の充電に関する懸念に対応し、顧客の信頼を高めるための歴史的な一歩を踏み出している」と述べた。1100以上の都市にまたがる販売・サービスネットワーク全体に充電インフラを構築し、スズキのグローバルビジョンに沿って複数のEVを投入する方針だ。
パルト・バネルジー上級執行役員(マーケティング・販売担当)は「インド最大のディーラーネットワークと充電パートナーのネットワークを活用し、主要100都市では平均5kmから10kmの間隔で充電ポイントを確保している」と説明した。主要高速道路沿いにも急速充電器を定期的に配置し、全国での走行自由度を確保する。
同社は「e for me」と名付けたEV充電モバイルアプリを提供する。このアプリでは、パートナー運営の充電ポイントとマルチスズキ自社の充電ネットワークを単一プラットフォームで利用でき、UPIまたはラゾルペイを活用した「マルチスズキマネー」で決済できる。充電ポイントの検索、公共充電器とスマートホーム充電器の両方の利用、車載インフォテインメントシステムへのアプリ表示などの機能を備える。
EVエコシステムの整備として、1500以上のサービス工場をEV対応にし、15万人のEV対応workforce を配置した。1100都市でアフターサービス体制を構築している。
充電ネットワークの実証として、同社はグルガオンから4台の『eビターラ』を4方向に向けて出発させる「e drive」を実施する。北のスリナガル、南のカニャクマリ、東のディブルガル、西のブジュへと走行し、全国規模のEV充電と所有の実現可能性を実証する。
eビターラはインド製で世界各国に輸出される。1000万kmを超える走行テストを実施し、マイナス30度からプラス60度までの極端な温度環境下で一貫した性能を発揮した。61kWhバッテリーパック搭載モデルは、インド中央自動車規則に基づく認証試験で543kmの航続距離を達成している。






