ポルシェは、9月8日にドイツ・ミュンヘンで開幕する「IAAモビリティ2025」において、次期『カイエンエレクトリック』のプロトタイプを初公開すると発表した。
IAAモビリティ2025には、蛍光塗料を使用したプロトタイプが展示される。この革新的な塗装は25層以上の極薄層で構成され、電流が流れると青から紫まで5色の発光パターンが現れる仕組みだ。
ポルシェは次期カイエンエレクトリックの発売に合わせて、電気自動車向けの11kWワイヤレス充電システムを世界で初めて市場に投入する。このシステムは、床面プレート以外に追加の制御装置が不要な「ワンボックス」設計を採用している。

次期カイエンエレクトリックが、このワイヤレス充電機能を搭載する最初のポルシェとなる。2025年末に世界初公開され、2026年にはポルシェセンターとオンラインショップで床面プレートの販売が開始される予定だ。
ポルシェの研究開発担当取締役であるミヒャエル・シュタイナー博士は「使いやすさ、日常での実用性、充電インフラが電気モビリティの受容において決定的な要因だ。誘導充電がポルシェで量産化されることを誇りに思う」と述べた。
同システムの最大充電出力は11kWで、有線AC充電と同等のレベルに達している。電力網からバッテリーへのエネルギー伝送効率は最大90%を実現した。
ポルシェの分析によると、電動ポルシェの充電の約75%が自宅で行われており、ワイヤレス充電の潜在的需要は大きい。床面プレート(長さ117cm、幅78cm、高さ6cm)は、ガレージ、カーポート、屋外駐車場に設置可能で、電源に接続するだけで使用できる。

充電時には、カイエンを床面プレートの上に駐車するだけで、数センチメートルの距離で非接触エネルギー伝送が行われる。車両は自動的に車高を下げ、床面プレートには動体検知機能と異物検知機能が搭載されている。
ワイヤレス充電機能はマイポルシェアプリに統合され、充電プロセスの追跡や複数車両の認証が可能だ。サラウンドビュー駐車機能の特別表示により、最適な充電位置への誘導も行われる。
床面プレートは重量約50kgで、LTEとWLANモジュールを標準装備し、将来的なソフトウェアアップデートとインフラサポートに対応する。2026年にヨーロッパで先行発売され、その後世界各国で展開される予定だ。
新型カイエンは、DC充電においても最大400kWの高出力充電に対応し、ポルシェチャージングラウンジでの最適な充電が可能となる。