フォルクスワーゲンは9月4日、これまでのベストラーモデルの名称を電気自動車の「ID.(アイディ.)」モデルに引き継ぐ新たな命名戦略を発表した。
これにより、顧客にとって親しみやすさが向上するという。
新戦略の最初のモデルは、2026年発売予定の『ID. Polo(アイディ. ポロ)』。このモデルはコンセプトカー「ID. 2all(アイディ. 2オール)」の市販版だ。フォルクスワーゲンのトーマス シェーファーCEOは、「伝統的なモデル名がブランドの力強さや品質、時代を超えたデザインを象徴しているため、これらの名称を未来の車にも引き継ぐ」と述べた。
同社は今後、電気自動車の新モデルに長年親しまれてきた名称を採用しつつ、内燃機関モデルは従来通りの名称で販売を続ける。これにより電気自動車と内燃機関車の世界を融合し、顧客がブランドの製品ラインナップをより分かりやすく認識できるようにする狙いだ。
「ID.」は先進テクノロジーと電動モビリティを象徴し、『ポロ』は高品質や安全性、革新技術の民主化を表してきた。新しい「ID. Polo」はこれらの特徴を兼ね備え、Polo誕生50周年の節目に登場する。マーティン サンダー取締役は、「モデル名が信頼性や歴史を示す重要な要素であり、電動モビリティも身近で個人的な存在でなければならない」と語った。
また、2026年には「ID. GTI Concept(アイディ. GTIコンセプト)」が発表され、量産モデルの『ID. Polo GTI(アイディ. ポロGTI)』も登場予定だ。これらは優れたダイナミクスと運転の楽しさを提供するという。
9月8日から14日にドイツ・ミュンヘンで開催されるIAAモビリティ2025では、カモフラージュされた「ID. Polo」と「ID. Polo GTI」が世界初公開される。
フォルクスワーゲンにとって、小型でコンパクトな電気自動車ファミリーの発表は新時代の幕開けを意味する。新モデルは手頃な価格で提供され、顧客のフィードバックを反映した高品質な素材や直感的な操作性を特徴とする。
「ID.」ファミリーは2018年に導入され、独立した電気自動車ラインナップを形成している。最初のモデルは『ID. 3』で、最大モデルは『ID. 7』。後者は現在、ドイツおよびヨーロッパでマーケットリーダーとなっている。