「オフ会」なんて言葉を耳にするようになって久しいが、いつの時代もクルマ好きは大好きなクルマに乗って集まることが多いようだ。
実際、これまでもそんなイベントに何度か参加してきた。モータージャーナリストという立場ではなく個人的に。それがあってこの仕事が成立しているという自負がある。

そんな話をするのは、先日「ルノーカングージャンボリー2025」に出かけたからだ。もちろんカングーオーナーではないので、今回は取材。でも、現地に着くとなんかワクワクしてくるから不思議だ。クルマがたくさん並ぶ姿は、オーナーでなくても楽しくなる。
今年のカングージャンボリーは5月10日の土曜日に行われた。2022年以降昨年までは秋に開催されていたが、今年からそれ以前の春開催へと戻ることとなった。場所は「山中湖交流プラザきらら」。富士山をバックに壮大な写真の撮れる湖畔のイベントスペースとなる。

集まったクルマの台数は1289台、そして2653人が足を踏み入れた。前日からの雨でこれだけ集うのだから恐れ入る。ちなみに、今年は17回目を数えるのだが、第1回目からの台数の累計は2万台を超えるそうだ。1回に集まる台数がすごければ累計もすごい。今この記事に目を通している方の中にもきっと過去に参加した人はいるだろう。

カングーは初代から3世代目となる現行型まで揃っていた。しかも満遍なく並んでいて、どれかに偏ることはない。それに限定車もかなりあった。きっとオーナー同士愛車の写真の撮り合いをしていたことだろう。
カスタムしている車両もたくさん見かけた。タイヤ&ホイール、ルーフラック、リアのラダー(ハシゴ)あたりに手を入れている車両が目立つ。カングーと仲の良いオープンカントリーのタイヤやOZホイールを装着したモデルもいくつかあった。これらのブランドは会場にブースを出してイベントを盛り上げている。
でも一番目に入ったのはステッカーチューン。みなさん思い思いのコンセプトでステッカーを貼り、愛車を自分仕様に仕上げている。アウトドアをメインにしたものもあれば、フランスをテーマにステッカーを貼る人も。そんな趣味趣向を表現できるのもカングーの魅力のひとつである。

イベントに合わせて限定車が発表されたのもニュースだ。なんたってカングーファンの集まる場だけに、注目されないわけがない。発表されたモデルの名前は「カングー クルール ディーゼル」という。“クルール”はフランス語の「色」。英語のカラーのことだ。なのでボディカラーが特徴となる。オレンジの車体は、夏の太陽が降り注ぐ南フランスの地中海をイメージしているらしい。このオレンジ色の名前は“オランジュ コロンジュ”という。

装備面では、運転支援の電子制御だったり10インチのデジタルインストゥルメントパネル(EDC)やスマートフォンワイヤレスチャージャーなどが搭載された。タイヤはオールシーズン仕様。諸元はベースグレードのクレアティフに準じる。ユニークなのはギアボックスにEDCのほかMTが設定されていること。

商業車ベースならではのなせるワザだ。台数はEDC100台、MT50台で、合計150台となる。最初から抽選販売としているのだから人気の高さが窺える。価格はEDCが429万円、MTが409万円。抽選販売申し込み期間が設定されているので、そこはご確認くだされ。

ということで、早朝からカングージャンボリーを一日楽しんだ。チャラン・ポ・ランタンの「カングーのうた」も聴けて大満足。真っ直ぐな歌詞がカングーへの愛を感じる。それにアコーディオンのサウンドがグッド。シャンソンがカングーの世界観にマッチしているのは言わずもがなである。