ホンダは1月31日、主力の軽自動車『N-BOX』をはじめとする14型式・8車種について、自然吸気エンジンに搭載されている排気ガス再循環装置(EGR)について、不具合があったとして計155万6855台をリコールすると発表した。
EGRパイプフランジ部の材質およびEGRの作動制御プログラムが不適切なため、冷間時の短距離走行を繰り返すと、当該パイプフランジ部とEGRバルブ開口部周辺に凝縮水が付着し、腐食することがある。そのため、そのまま使用を続けると、腐食した破片がEGRバルブとバルブシートの間に噛み込み、最悪の場合、走行中にエンジンが停止し再始動できなくなるおそれがある。
不具合件数は111件で、市場からの情報により判明した。事故は発生していない。
対象となるのは2017年7月26日~2024年11月25日までに生産された車両で、主力の「N-BOX」「N-BOXカスタム」のほか、「N-BOX JOY」「N-WGN」「N-WGNカスタム」「N-VAN」「N-ONE」の計14型式・8車種。
対象車両はEGRパイプを対策品と交換し、EGRバルブ開口部周辺の錆を取り除く。エンジン制御コンピュータを対策プログラムへ書き換える必要がある車種については、希望するユーザーには先行で対策プログラムの書き換えを行い、部品準備が整い次第、改めて案内し対策品と交換する。
またホンダは同日、「N-BOX」「N-BOXカスタム」「N-BOX JOY」の3車種・計24万5739台(2023年9月12日~2024年11月20日)について、制動装置に不具合があるとして改善対策届けを国土交通省に提出した。
車両挙動安定化制御システム(ビークル スタビリティ アシスト:VSA)において、エアコン停止制御プログラムの設定が不適切なため、エンジン始動直後の低速走行時にブレーキ倍力装置への負圧供給が低下することがある。
また、ブレーキ倍力装置への負圧が不足した際にブレーキペダルの操作力を補助するブレーキ液圧制御プログラムの設定が不適切なため、エンジン始動直後の低速走行時にブレーキ液圧を適切に調整できないことがある。そのため、ブレーキ倍力装置の負圧が不足した場合やブレーキ液圧を適切に調整できない場合に、ブレーキペダルの操作力が増大するおそれがある。
全車両、VSAモジュレータのプログラムを対策プログラムへ書き換える。不具合件数は85件で、市場からの情報より判明。軽微な物損事故が1件発生している。