走りの真価を発揮する フィット e:HEV ModuloX、ロングドライブで安定性の高さと楽しさを味わう

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Honda フィット e:HEV Modulo X
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自動車メーカーはそれぞれスタンダードモデルをモディファイしたりチューニングするサブブランド、もしくはそれを行うグループ会社を所有するケースが多い。Hondaで言うと、「Modulo(モデューロ)」と「無限」が頭に浮かぶ。後者はモータースポーツでの経験と実績を重ね、今もSUPER GTやスーパーフォーミュラのイメージは強い。Hondaユーザーであればカスタマイズパーツでお世話になったかもしれない。

では、純正アクセサリーメーカーのホンダアクセスが手掛けるModuloはどうなのだろう。もちろんこちらもSUPER GT参戦などモータースポーツに真剣に取り組んでいるし、スタンダードモデルをベースにしたカスタマイズブランドであることは変わらない。Moduloエアロパーツで架装したHonda車を街中で見かける。だが、その方向性は独自路線を行っている。目指すのは日常使いでの扱いやすさ。常用範囲において、クルマを動かす楽しさと快適性を追い求めている。

そんなModuloの中で今注目なのが、コンプリートカーの「Modulo X(モデューロ エックス)」である。先日も『ヴェゼル e:HEV Modulo X』プロトタイプに乗って驚いた。「この味付け、日本車の領域を超えていないか!」というくらい上質な仕上がり。制限されたエリアだったので、ナンバーを付けた際にはぜひ存分にテストドライブしたいと思ったほどだ。

アンダーステートメントで上品なデザイン

ということで、今回はすでに市販されている『フィット e:HEV Modulo X』を走らせることにした。Modulo Xの実力を再認識するためである。コースは都内から箱根を越え伊豆半島へ。修善寺手前で折り返して三島、沼津経由で東名高速で都心に戻るルートを辿った。

このクルマの特徴はまずはエクステリアだろう。個性的なフロントグリルやエアロダイナミクスを活かした専用バンパーとテールゲートスポイラーを備える。それにドアミラー、ドアロアーガーニッシュ、リアライセンスガーニッシュをブラック塗装して精悍さを出している。それだけ手を入れながら全体的な雰囲気はアンダーステートメントで、上品なのが個人的にも好みだ。スポイラーは大きければいいというものではない。空力特性まで吟味して適正なサイズを装着する。大きい方が話題にもなるし売りやすそうだが、Moduloは派手さではなくて、あくまでも機能を重視するのだ。

Honda フィット e:HEV Modulo XHonda フィット e:HEV Modulo X

一方、インテリアも専用デザインで仕上げられており、本革巻きのステアリングやシフトノブ、本革とラックススウェードを使用したコンビシートなど随所にこだわりが見られる。

Honda フィット e:HEV Modulo XHonda フィット e:HEV Modulo X

興味深いのは、ホンダアクセスには独自の理念のもと必要なスタッフが用意されること。つまり、テストドライバーをはじめとした実験部隊はもとより、デザインを具現化するモデラーまで揃っている。かつてのカロッツェリアのようだ。その昔ピニンファリーナが生産ラインまで持っていたのを思い出した。さらに言えば、BMWをベースに自動車メーカーとして自立していた「アルピナ」を思い浮かべる。「M」がレーシーな味付けであれば、アルピナは上質な走りを提供しているからだ。少々大袈裟かもしれないが、ベクトルは似ている気がする。

高いエアロダイナミクス効果

では、フィット e:HEV Modulo Xの走りはどうなのか。結論から言ってこいつはかなりいい。特筆すべきは乗り心地で、一般道から高速道路、ワインディングまでかなりハイレベルに仕上がっている。

高速道路では安定感が際立った。イメージ的にはスタンダードモデルよりトレッドがワイドになりホイールベースも伸びたような感覚だ。レーンチェンジの際にふらつくことはなく、常に路面にアンダーボディが張り付くように走る。思うに、ここでのポイントは高いエアロダイナミクス効果だろう。ダウンフォースを含め空気の流れを整えた結果だ。それが電池を床下に積むe:HEVの特性と相まって挙動を安定させるのだ。なので、高速域で巡航しているとふたクラス上のクルマに乗っている気になる。走り出してすぐはステアリングセンター付近のパワステのセッティングはもう少し軽めがいいと思えたが、長く乗っていると適正であることも理解できた。

Honda フィット e:HEV Modulo XHonda フィット e:HEV Modulo X

タイトコーナーでも始終姿勢が安定

ワインディングでの足さばきもいい。ステアリング操作に対しての反応の良さはスタンダードモデルもそうだが、それがよりしなやかに感じられる。専用開発のダンパーはバネレートに合わせた減衰圧が厳密に調整されているからだ。よってロール角は適正でキャビンは限りなくフラットに近い。おかげでタイトコーナーでもステアリングをこじるような真似をせず、スルッと駆け抜けられる。

Honda フィット e:HEV Modulo XHonda フィット e:HEV Modulo X

きっとここにはホンダアクセスが考える「ホイールもサスペンションの一部」が当てはまっているのではないだろうか。ホイールに高い剛性だけを求めるのではなく、たわませることで入力を和らげ、さらにタイヤのトレッド面からエッジまでを十二分に使い切ろうと言う考えだ。なるほど、限られたパーツを存分に使いこなすとは、こういうことなのだろう。彼らはホイールまで独自で設計している。

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面白いのは、後からついてきたカメラカーのスタッフのコメントで、「どんなコーナーもリアの動きが全然大きくないから、それほどスピードが出ていないように見えるけどついて行くのが大変」と話していた。要するに終始姿勢が安定しているのだ。確かに、コーナーリングが楽しくなってどんどんスピードに乗っていったのは間違いない。もちろん、こうした動きはベース車となったフィットがそもそもよくできているのも関係する。重量配分、トラクションのかかり具合は絶妙だ。

一般道でも感じられる上質さ

一般道はどうかというと、これもクラスが上がったような乗り味。路面変化に対する当たりが柔らかいのにしっかり感が強い。スーッという出だしから幹線道路での加減速まで上質さを感じる。バウンシングは一回で抑えられ、気になるピッチングも最低限に抑制される。もはやサイズ的にもフィットに乗っている意識は薄れてしまう乗り心地だ。言ってしまえば、ヨーロッパ製ミッドサイズセダンの感覚に近い。

といったように、ステージが変わってもずっとそんな走りなので、撮影後も少し遠回りして帰った。ドライバーにとっては疲れ知らず、である。察するに、この足ならリアシートも快適だろう。

Honda フィット e:HEV Modulo XHonda フィット e:HEV Modulo X

こうなると、この後リリースされるヴェゼル e:HEV Modulo Xも期待せずにはいられない。フィットよりもトレッドとホイールベースが広がる分、高速走行ではより上質になることは想像できる。

それにしても、これだけ絶妙なセッティングをできるのはさすがだ。エアロパーツ、ダンパー、ホイール合わせ、高度な技術を持っているのは確か。思うに、ハイレベルなヨーロッパ車あたりをベンチマークとして徹底的な研究開発をしているに違いない。と同時に、クルマに対する情熱、それと柔軟な発想も持ち合わせていなければこうはならないだろう。一言で表現するなら「センスが良い」ということだ。いずれにせよこの味を知った以上、Modulo Xシリーズからは目が離せない。

九島辰也氏とフィット e:HEV Modulo X九島辰也氏とフィット e:HEV Modulo X

九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身。

フィット e:HEV Modulo X の詳細はこちら
《九島辰也》

九島辰也

九島辰也|モータージャーナリスト 外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。東京・自由が丘出身。

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